蒼生の錬金術師
□第一カオス
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【!?こんな水など我が炎で消し去ってくれるわ!】
と炎を強めるカオスに対し、彼女はいい放った。
ーやめといたほうがいいわよ、あんたの周りにある水はアルコールに錬成しといたから……人間馬鹿にした罰よカオス[朱雀]ー
【!?くっそお!!蒼生の錬金術師ー!!!】
大きな爆発音と共にカオスは吹っ飛んだ。花燐はリンのもとに駆け寄り、岩をどかしてあげたのだが……
「何で俺をかばっタ!なんて無茶をしたんだヨ!もう少しで死んでいたかもしれないんだゾ!」
−ちょっと!命の恩人にその態度は何!?:-(怒らなくたっていいでしょ!−
「いいや、ここを怒らせてもらうゾ!好きな女に火傷までさせて俺は……」
−だーかーら!好きな人を必死に守って何が悪いっていうのよ!−
「えッ?……」
花燐は、しまったという顔をしてから赤くなってそっぽを向いてしまった。
そんな彼女をリンは抱き寄せてこう呟く。
「もうあんな無茶をしないでくレ、俺がどうにかどうにかなっちまいそうになル」
−……なるべくは頑張る……−
「でサ、さっきのもう1回いってヨ☆」
−あら?なんのことかしら?ほらさっさと行くわよ……!?−
と彼女はへたりこんでしまった。
「どうしタ?」
−た……立てない……−
「そウ?それじゃ……」
と意地悪く笑ってリンは彼女をお姫様抱っこした。
−!?ちょっリン!これはさすがに恥ずかしいって!−
「さっき言わなかった罰だヨ」
この一言に彼女の顔は真っ赤だった。そんな彼女にリンは子供を助けようとしたときなぜあんなに必死だったのかと彼女に聞いた。
自分がまだあまり強くなかった頃、二体のカオスを相手にし、片方に押さえつけられながら目の前で男の子が助けを求めながら喰われていくところを見て、その記憶を思い出した、またその光景が夜にねようとするとフラッシュバックして罪悪感に苛まれて眠れないと彼女は答えた。
そんな彼女に彼は
「俺が傍にいてやル、花燐がつらいとき、苦しいとき一緒にいてやル、だから一人で抱え込まないでくレ」と……
そんな彼の言葉に彼女は嬉しくて、静かに彼の腕のなかで泣いた。