蒼生の錬金術師
□最愛なる人
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−!?……はぁ……はぁ−
身体に激痛が走り、目を覚ました花燐。ゆっくりと身体を起こしながら彼女は頭を整理した。
(私……寝てたのか……そっか、グリードに抱かれて気絶したんだっけ……うん、体力はいくらか戻ったみたいね、しかし……グリードめ……腰が痛いじゃない……)
すると上から叫び声が聞こえてくる。
「きゃーー!!!」
(!?この声は……ウィンリィ……あとはなんかゴチャゴチャして誰の声かわかんないな……)
「乙女の部屋から出ていけーっっ!!」
(あっ……やっぱりウィンリィだ……上に行ってみっか)
「なんだい!なんだい!むさ苦しいのが増えてるじゃないか!ウィンリィ?」
「ばっちゃん!」
「……無事だったんだね」
「……ただいま、心配かけてごめんね」
「であんたらは?」
「お騒がせして申し訳ありません
、ウィンリィさんの護衛のブリッグズ兵であります」
「少し前からここの地下にかくまってもらってんだ」
「リン……だよね?」
「あ?おまえこいつの知り合いか?グリードだ、よろしくな」
「……は?」
−自己紹介は、一応すんだみたいね−
地下からあがってきた花燐の姿を見たウィンリィは嬉しそうに彼女に駆け寄り抱きついた。
「花燐!良かった!無事だったのね、行方不明って聞いてすごく心配していたの……」
−ほらほら子供じゃないんだから……でもウィンリィも無事で良かった−
「俺のときと全っ然態度ちげぇな……」
「花燐、おまえさんもう起きて大丈夫なのかい?」
−えぇ、おかげさまで……それじゃお互い情報説明としましょうか−