蒼生の錬金術師
□運命をかえるとき
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.。o○チャプッコポッコポッ.。o○
花燐はひとり、深い海みたいなところに漂っていた、辺りはとても暗く見える光は遠くにある。
(ここは……?……まるで……私の心のようなところ……私……死んだのかしら……)
そんなことを思った彼女の前に水音をたてて現れたのは真理。
『お前は死んでいない』
(あら?……あなたあいつに取り込まれたんじゃないの?……)
『私自体を取り込めても意思まで乗っとることはできんよ、それに君はまだ死なれては困るからな』
(そう……で、わざわざ私を生かしてここに現れたということは……)
『無論、私をやつから取り返してもらうためだ』
(等価交換……)
『なに……?』
(錬金術は1の物から1を得る……つまりは等価交換の法則……エドたちと旅して嫌というほど学んだわ……自身を取り返してもらいたかったら、それなりの代価を払ってもらうわ……)
『全く……余計なことまで学びおって……いいだろう、これからカオスを倒してもらうためにも今君にやってもらわないといけないからな、声を返してやろう、そしてこの剣を持っていけ』
と真理は1つの短剣を彼女に渡す、剣は水の中を徐々に落ちていき彼女の手に渡る。
コポッコポッパシィ)
(これは……?)
『必ず役に立つ、おまえなら使えるだろう、それでは頼んだぞ』
水音とともに真理が消え去った方をしばらく眺めていた花燐は短剣に触れてみた。
(!?……なるほどね……それじゃ、闘いに……みんなを助けに行きますか!!)
パシャ.。o○.。o○.。o○
花燐は水を蹴りあげると光に向かい、泳ぎだした。