Book3 t2

□片時雨 雲
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わかってるはずなのに頑なに認めようとしない彼女
私は泣きそうになり、震える声で彼女に訴える



テヨン「…苦しいの
苦しいから離れたい…
このままじゃティファニーの傍にいられない…」


パニ「どうして?どうして離れるのよ」


テヨン「ティファニーはずっと知らないフリをする
そんなんじゃ傍にいられない
私が…私が苦しいの…」


パニ「…」


テヨン「お願いだから…わかって
これ以上私を苦しめないで…」


パニ「テヨン…」



目の上で両腕を組んでこみ上げる涙を隠す




パニ「テヨン… 離れたくない
Please don't leave me alone.
(一人にしないで)」


ティファニーも涙声になっていて、泣いているのがわかる




テヨン「ごめんね 少しだけ…
私が悪いだけだから
だから、少しだけ待ってて…」


パニ「No. Taeyeon...
Please...Please be by my side.
(お願い 私の傍にいて)」



ティファニーは寝ていたベッドを出て、布団の上から私に抱きついて泣き続ける
時々英語で『離れたくない』と言っては私に抱きついて泣いていた




テヨン「ティファニー、私はいなくなるわけじゃない
ちょっと距離を置こうって言ってるだけだから」


パニ「イヤ!テヨンとずっと一緒にいる」


テヨン「ティファニー…」




この状況は何なんだろう…?
まるで私が別れたがっている恋人みたいじゃないか



何を言っても私にしがみついてイヤイヤと首を振るティファニーに諦めて、
また後でちゃんと話をすることにした




テヨン「ティファニー、わかったから
もう寝よう?
それと、顔洗わないと目が腫れちゃう」



そう言うと、ティファニーはしぶしぶ体を離した



テヨン「顔洗おう
ね?」


パニ「うん…」




ティファニーを連れてバスルームに入って水で軽く顔を洗った
タオルで顔を拭いてから再びベッドに戻る





テヨン「ティファニー、おやすみ」


そう言って、自分のベッドに入ろうとすると、後ろからパジャマの裾を引っ張られた



テヨン「ん?」




後ろを振り向くと、下がり眉で泣きそうな顔をしたティファニーが私のパジャマを引っ張っていた




パニ「テテ…
一緒に寝たらダメなの…?」



あ〜……

もう…
はははっ もういいや…


さっきまでの私の話は何だったんだって感じだけど、もういいや
もう疲れた…




テヨン「ははっ
わかった… いいよ
一緒に寝よう」



先にベッドに入ってから、ちょっと迷ったけれど、ティファニーの方を向いた
すると、彼女はベッドに入った後、昨日みたいに私の腕の中にもぐり込んできた




パニ「テヨン… おやすみ」


テヨン「おやすみ…」





すやすやと眠るティファニーを抱き締め、私はまた眠れない夜を過ごすのだった






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