Book3 t2

□霖雨 雨承
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Jessica side




テヨンの涙がだいぶおさまってくると、彼女をベッドに寝かせた



シカ「どうせ昨日から寝てないんでしょ?
ちょっと寝なさい」


テヨン「…ん」




布団をかけて優しく頭を撫でていると段々とまぶたが閉じてきて、テヨンは眠ってしまった
眠ったテヨンに安心してしばらく彼女の幼い寝顔を見つめていると、私の携帯が振動を始めた


ブーブー
ブーブー



携帯の表示はティファニーからの電話


ふ〜…



携帯を持ってベッドから離れ、電話をとる




シカ「…もしもし?」


パニ「ジェシー?ねぇ今テヨンといるの?
…グスッ…テヨンは?」




ティファニーの声からして、彼女が今泣いているのは明らかだった



シカ「テヨンは今眠ってるわ…
昨日から寝てなかったみたいなの」


パニ「ジェシー…お願い…
テヨンの居場所を教えて
テヨンに会いたい…話したいの
テヨン、電話に出てくれなくて…」


シカ「…ごめんね、それはできないわ
テヨンと約束してるの
誰にも教えないって
それに、今のテヨンはあなたと話せる状態じゃない」


パニ「でも…!」


シカ「ねぇティファニー
あなたテヨンと何を話すの?」


パニ「え…? 
…その…謝りたいの…
それと、テヨンと一緒にいたいって…」


シカ「それは友達として?恋人として?」


パニ「それは…
まだ…、わからないけど…」


シカ「テヨンに今までのこと謝って、
友達としてか恋人としてかはわかんないけど、とりあえず傍にいてほしいって言うつもりなの?」


パニ「…」


シカ「ねぇティファニー
あなたそれがまたテヨンを傷つけるってわからないの?
そんな中途半端なこと、また繰り返すつもり?」


パニ「わかってるの…
私の中途半端な気持ちがテヨンを傷つけてたって
でも、このままじゃテヨンが私から離れていっちゃいそうで怖いのよ…」


シカ「ティファニーが言えば、テヨンは傍に居てくれるかもしれない
でも、テヨンが無理することは目に見えてるわ
そんなことテヨンにさせるの?
無理してるあの子に傍にいてほしいの?」


パニ「そんなことない…!
私だってテヨンにちゃんと笑顔でいてほしいもん
でも、今はどうすればいいのかわからないの…
テヨンと離れたくない…っ」


そう言って、ティファニーは本格的に泣き出した



シカ「ティファニー あなたもテヨンから少し離れてちゃんと考えた方がいいわ
何もテヨンはあなたの前から消えていなくなったわけじゃない
これから仕事でだって会えるでしょ?
お互いに少し距離を置いて冷静になりなさいって言ってるの
それがあなた達のためよ」


パニ「でも…っ!グスッ…」


シカ「ティファニー…」


パニ「……わかった…
ちゃんと考えてみる
でも…、テヨンにはずっと傍にいてほしいの
それは変わらないから…」


シカ「それはあなたの答えが出てから
自分でテヨンに伝えればいいわ」


パニ「…うん
ジェシー?」


シカ「ん?」


パニ「ごめんね…
ちゃんと考えるから」


シカ「うん…」






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