Book4 t3

□ソシクエ 名前
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カランカラーンッ


宿屋「ようこそ、旅の宿に
ひと晩10ソシですが、お泊まりになり…」


スヨン「泊まりますっ!泊まりますから早く部屋を!
2部屋お願いします!」



宿屋の言葉に食い気味に答えるスヨン
宿屋は急いで部屋に案内してくれた




宿屋「えーっ…こちらの部屋と…」


スヨン「もう一つはその隣のこの部屋ですよねっ?
わかりました!ありがとうございます!」


宿屋「えっ!いや、隣の部屋はっ…!」



一刻も早く部屋に引っ込みたかったスヨンは、
早合点して宿屋が用意した部屋と別の部屋の扉を勢いよく開ける
すると、目の前には目を剥いて上を向き、
長い舌を口から出してこの世のものとは思えない顔をした何かがこちらを向いて座っていた


スヨン「ギャァァァアアアーーー!!!」


スヨンは恐怖のあまり、甲高い叫び声をあげる
その悲鳴に驚いて叫び出す旅の仲間たち
そして、その部屋の宿泊客も驚いて叫んだ


「うわぁああああああ!」



しかし、ヒョヨンの反応だけは他と少し違っていた
彼女は「あれ?」っという顔をしながらその部屋にずかずかと入り、
宿泊客の顔をしげしげと眺める


ヒョヨン「あんた、どっかで見たことある気がするわ…
確かどこかのダンス大会で…」


「わぁあああ〜!…ってあれ?ヒョヨナ?」


宿泊客はヒョヨンを知っているようだった
親しげに名前を呼ばれて、ヒョヨンは安心したように笑ってその人物の肩を叩く


ヒョヨン「やっぱあんたか!
何してんのよ、こんなところで!」


「あはははっ 久し振り〜!
ヒョヨナこそ何してんのよ
ダンスの武者修行するって言ってなかった?」


ヒョヨン「そうよ
あいつらと世界中を回りながら修行することに決めたの」


「え?知り合い?」


ヒョヨン「うん、一昨日知り合ったの
魔王倒しで世界中回るって言うから、あいつら面白いし、一緒に世界中回るつもり」


「なんだ、ヒョヨナの知り合いか〜!
いきなり部屋のドア開けられてビックリしたよ〜」



二人の親し気な様子を見て、スヨンが申し訳なさそうに近づいてきた


スヨン「部屋を間違えてしまって…
本当にすみませんでした」


「いいよ〜
ちょっとビックリしただけだし」


ユナ「私も叫んだりしてすみませんでした

あの…さっきのは何してたんですか?」


「ん?顔の筋肉の体操」


テヨン「なんだ…
私はてっきり何かに憑依された人かと…」


スヨン「私も瞬時にエクソシスト思い出して…」


未だ怯えた顔をしてぷるぷると震えながら、
慰め合うように抱きしめ合うテヨンとスヨンの凸凹コンビ
ユナはそんな二人を見て苦笑いしながら「そういえば…」とヒョヨンを見た


ユナ「ヒョヨンオンニ、よくさっきすぐに知り合いだってわかったね
オンニとっても綺麗なのに、顔の体操してると別人だもん」


「あはははっ ありがとう」


ヒョヨン「まぁ〜なんとなく雰囲気でわかったっていうか、勘?」


ヒョヨンはニコニコと自慢げにそう言って笑った
ユナは友との再会にどこか嬉しそうなヒョヨンに微笑み返し、
肌の黒いその人物に改めて挨拶する

ユナ「私はユナって言います
魔法戦士で、オンニたちと魔王討伐の旅をしています
オンニはお名前なんていうんですか?」


「魔法戦士か〜カッコイイね!よろしく、ユナ
私はクォン・ユだよ」


ユナ「…え?すみません、ちゃんと聞き取れなくて…
もう一度言っていただけますか?」


実はちゃんと聞こえていたが、
聞き間違いかと思い、ユナはもう一度彼女の名前を聞き返す



「クォン・ユっていうの
よろしくね!」



やっぱり聞き間違いじゃなかった…



ユナ「あの…もしかして有名な演劇団のコン・ユをもじったり…」


「してないよ?」


自信満々にそう言い返されて混乱するユナ
よく言えばハイインパクト、
ぶっちゃけて言えば意味がよくわからない名前にユナは動揺を隠せない




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