book t

□熟年夫婦 ウエディング撮影 後編
1ページ/5ページ

TaeYeon side



個別撮影を終えてセットに戻り、二人での撮影が再開された


玄関を開けて「ティファニー、ただいま〜」と声をかける
すると、いつものようにパタパタとスリッパの音が聞こえて、
笑顔のティファニーが「おかえりなさい」と出迎えてくれる
私達はただいまとおかえりのキスを交わしてリビングのセットに入った






監督「次は晩ご飯のシーンね
お腹すいてるでしょうし、撮影用のご飯として用意しているものは普通に食べていいわよ」


テヨン「メニューは?」


監督「オムレツよ
ティファニーがさっき作ったって聞いたけど」


テヨン「え? そうなの?」


パニ「うん
やっぱり私の作ったオムレツをテヨンが食べてるところ撮りたかったの」


テヨン「へへへっ
ティファニー、作ってくれてありがとう」


パニ「いっぱい食べてね」


テヨン「うん」






出来立てのオムレツが用意されてるテーブルに
私達は隣り合って座った




監督「ん?
隣り合って座るの?」


パニ「え?何かおかしいですか?」


監督「…いえ、なんでもないわ」


テヨン「?」


監督「気にしないで
食事のシーン始めていいわよ」






そして、食事シーンの撮影が始まった




テヨン「いただきま〜す!」


パニ「召し上がれ〜」




私はケチャップでハートの描かれたオムレツを口に入れる


テヨン「…ん! 
ティファニー!美味しいよ!!」


パニ「ふふふ よかった」


テヨン「まさかティファニーのオムレツ食べれるなんて思わなかったから嬉しいな

あ!ティファニーもお腹すいたでしょ?一緒に食べよ?
はい、あ〜〜ん」


パニ「えへへっ、ありがとう
あ〜ん」





*****


女性MC「やっぱりやると思ったわ!!」


男性MC「あはははっ 案の定ですね!」


女性MC「ははははっ 監督もそんな顔してるわ」


*****



監督「はい、O.K.よ〜
だいぶ遅くなっちゃったけど今から昼休憩入るから、
二人ともこのまま休憩に入っていいわよ
私達は近くのお店にご飯食べに行くけど一緒に行く?」


テヨン「ありがとうございます
でも、オムレツ食べたいから」


監督「わかったわ
食べ終わったら食器とかそのまま置いてていいわよ
あと、このセットのソファとかも自由に使ってもいいからね」


パニ「はい、ありがとうございます」



そう言うと、監督達とウギョルのスタッフさん達も昼休憩に入った














テヨン「ティファニー 今日忙しかったのにオムレツ作ってくれてありがとう
大変だったでしょ?」


パニ「ちょっと忙しかったけど大丈夫
テテが美味しそうに食べてくれて嬉しかった」



そう言ってティファニーは優しく笑う
私も微笑み返して二人で仲良くオムレツを食べ終わると、
セットの中を二人で見て回った




テヨン「本当にこのセット、うちみたいだね」


パニ「そうね 
うちに帰ったみたいに少しリラックスできるよね」


テヨン「うん、ふふふっ」




一通り見終わって二人でソファに座った後、
私はティファニーの膝を枕にして寝転がる





パニ「ちょっとテテ
リラックスし過ぎよ?」


テヨン「いいじゃん
今は休憩時間なんだし」


パニ「もう、ふふふっ」



ティファニーはうつむき、優しく私の頭を撫でながら前髪を直す
私は愛おしい気持ちでそんな彼女を見つめ返す





「ティファニー…」



私はティファニーの頭を引き寄せて口付けを交わそうと…







「さあ 昼休憩終わりよ〜!」


監督が廊下の向こうでスタッフさんに声をかけているのが聞こえた







…はっ!ヤバイ!!!



私は慌てて起き上がり、
何事もなかったかのようにティファニーの隣に座り直す


あっ、危なかった…
ビックリして心臓がバクバクいってるよ



ティファニーも同じだったようで、
姿勢良くソファに座り直し、自分を落ち着つかせるように
「ふーっ…」と息をはいていた



しばらく経つと、監督を始めスタッフさんがぞろぞろとスタジオに戻ってきた
監督はソファに座っていた私達に気づくと、近寄ってきて
「私のアシストで助かったでしょ?」
笑ってまたスタッフさんのもとに戻っていった





ははは…
監督、お見通しなんですね

でも、助かりました…






次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ