book t
□熟年夫婦 昔の話 前編
1ﾍﾟｰｼﾞ/5ﾍﾟｰｼﾞ
男性MC「さて、先週のTaeNy夫婦はウエディング撮影をしましたね」
女性MC「二人ともとっても素敵だったわ〜
監督さんも個性的で面白かったわね！」
男性MC「今週はどんな二人が見られるのでしょうか
それではどうぞ」
*****
Tiffany side
仮想結婚生活45日目の夕方
今日はお昼過ぎに海外の仕事から帰ってきた
久しぶりに二人でソファに座ってのんびりする
パニ「テテ 飲み物飲む？」
テヨン「うん ありがとう」
ソファから立ち上がって二人分の飲み物を用意していると、
玄関のインターフォンが鳴った
ピンポーン
テヨンがインターフォンに出る
テヨン「ティファニー、もしかしたらミッションかも
ちょっと見てくる」
パニ「わかった 気をつけてね」
玄関から戻ったテヨンは
「やっぱりミッションだった」
と言って、大きな袋と封筒を抱えて持ってきた
パニ「その袋何？大きいね」
テヨン「なんかこっちの封筒はミッションみたいなんだけど
この大きい袋には本と大きい封筒が入ってる」
テヨンは袋を覗き込みながらソファに座る
そして、中身をテーブルに広げた
パニ「ねぇ この本もしかして…」
少し高級そうなカバーで覆われた本をめくると、
案の定それはこの前私達が撮影したウエディング写真だった
パニ「テヨン、これウエディング写真よ！」
テヨン「この前のか！
もうできたんだね」
二人でページをめくると、
とても幸せそうな私達の写真が次から次に出てきた
テヨン「へへっ なんか改めて見ると恥ずかしいね
こんな顔して撮られてたんだ」
パニ「ふふふっ 本当に幸せそう」
*****
男性MC「綺麗ですね〜
これ写真集として売り出せるんじゃないですか？」
女性MC「ふふふっ 少女時代の今度の写真集に入ってるかもよ？」
*****
ウエディングドレス姿で二人で額を合わせて嬉しそうに笑っている写真や、
カクテルドレスを着てビックリ顔で頬にキスを受けている写真などに始まり、
私達が提案したコンセプトの“日常”をテーマにした写真がたくさん収められていた
パジャマ姿でくっついて寝ている写真
おはようのキスを交わす写真
二人並んで歯磨きをする写真
少し寂しそうにいってらっしゃいをする写真
笑顔で帰宅する写真
オムレツを食べさせ合う写真
お風呂で二人で泡を飛ばし合う写真
そこにはたくさんの私達の日常が収まっていた
テヨン「ふふふっ なんかいいね」
パニ「うん、これ見ると笑顔になっちゃうね」
テヨン「時々思い出してにやけちゃいそう」
そう言って、テヨンは笑顔で私を横から抱き締め、
頬に軽くキスをした
パニ「ふふ 私もにやけちゃいそう」
テヨン「時々二人でにやけてるかもね」
ふと、何の前触れもなくいきなり二人でにやけ始める様子を想像したら、
とてもおかしかった
パニ「私達、みんなにおかしくなったと思われちゃうかも」
テヨン「へへっ ピョンテ夫婦って言われるかもね」
パニ「ピョンテはテヨンだけでしょ」
テヨン「ちょっ！なんだと？」
クスクスと笑いながらそんなやり取りをして次のページをめくると
そこには最後の1ページだけ恋人同士としての私達がいた
布の上に寝そべる私の横にテヨンが横座りし、
私の顔の両側に手をついて上から私を見下ろしている写真
そして、私が下からテヨンの首に腕を回して頭を引き寄せ、
テヨンが私に唇を寄せようとしている写真
その2枚が連続して1ページに収められていた
*****
女性MC「あら、こんな写真いつ撮ったのかしら」
男性MC「なんだか色っぽい写真ですね」
女性MC「2枚目なんか今にもキスしそうな感じね〜！」
*****
テヨン「あははっ…
こっ、これも入れてくれたんだね！」
パニ「そ、そうみたいねっ」
2枚目の写真には、私がかき上げたテヨンの髪の間から、
そして寝そべる私から、
テヨンの左耳、そして私の右耳のお揃いのピアスがばっちり映っていた、
そんなこと意識していたわけではないのに、
なんだか最初からそう写ることが決まっていたかのようだった
テヨン「あ、ピアスもばっちり写ってるね！」
パニ「うん、ふふふっ」
私は写真を見つめながらテヨンの肩に寄りかかって腕を組んだ
テヨンは優しく笑って私に頭を寄せた後、
「あ、そう言えば」
と言って本と一緒に入っていた大き目の封筒を開け始めた
そこには監督さんからの手紙とDVDが入っていた
“テヨン、ティファニーお久しぶりね
写真集が出来上がったから送るわ
DVDにはこの前の撮影で撮った写真から私がピックアップしたものを全て入れているわ
ドレスや日常をコンセプトにした写真はもちろん
最後に撮影した写真もたくさん入っているわよ
このDVDは二人だけで見た方がいいかもね
追加で写真集が欲しい場合や、
二人で選んだ写真で写真集が作りたい場合は遠慮なく連絡してちょうだい
また二人と仕事で一緒になれるのを楽しみにしているわ
プライベートでも何か困ったらいつでも連絡するのよ？
じゃあね また会える日を楽しみにしてるわ”
パニ「監督さんにまた会いたいな…」
テヨン「うん」
私達を理解して応援してくれる人ができた
それは私達をとても幸せな気持ちにしてくれた
テヨン「このDVDは後で二人でゆっくり見ようね」
パニ「そうだね」