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□熟年夫婦 昔の話 後編
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Tiffany side



スヨンと話した次の日、
私はテヨンが言っていた日曜日にテヨンを外出に誘った

そして、その日曜日





私とテヨンは練習生の頃によく二人で来ていた思い出の場所にやってきた


テヨン「わ〜 懐かしいね」



テヨンはそう言ってさびれたブランコに乗る
ここはもう使われていないような古い公園で誰も人はいなかった



パニ「そうね
本当にここに来るのは久しぶり」



私はテヨンの隣のブランコに座った後、意を決してテヨンに話しかけた



パニ「ねぇ、テヨン…」


テヨン「せ、先週の記念日はごめんね!
マネージャーオッパに頼んで徹夜で帰ってきたんだけど、
やっぱり間に合わなくて…」


パニ「ううん、もういいの
でね…」


テヨン「あ!あれ覚えてる?
どっちが速く回せるか二人で前に競争したよね」


パニ「え?
ええ、覚えてるわ

あのね、テヨン…」


テヨン「あ!あれも懐かしい〜
あははっ あれ前にティファニーがこけて半泣きになったよね」


パニ「…テヨン!
お願い、聞いて?」


テヨン「ヤダ!絶対聞かない

私…、絶対別れないから!」



そう言ってテヨンはブランコの鎖をギュッと強く握り締め、
うつむいて言葉を続けた



テヨン「スヨンに言われたんでしょ…?
別れろって

でも、私絶対別れないから
ティファニーが別れたいって言っても別れない」


テヨンの手は震えていた



テヨン「同じグループなんだし、たとえ別れるって…嫌いって言われても、
ずっとティファニーの傍に居座り続けてやるんだから」



そう言った後、
テヨンは雰囲気を変えるように私に微笑み、
「これ…」と言って大きな袋から取り出した紙袋を差し出した



テヨン「ティファニーが気に入ってくれたらいいんだけど、
気に入らなかったらごめんね
私、そういうの疎いから…
使いたくなかったら使わなくていいからね」




それは私の大好きなブランドの新作のバッグだった




パニ「テヨン
ありがとう…」


テヨン「ううん…

さて、もう暗くなってきたし帰ろうか!」



そう言ってテヨンはブランコから降りて立ち上がる




パニ「テヨン、待って!
私の話も聞いて」


テヨン「だから、聞きたくないんだってばっ!」



私はこっちを見ないまま歩き出そうとするテヨンの腕を掴む



パニ「テヨン…ごめん
本当にごめんなさい…」



その言葉にテヨンの体がピクリと震える



パニ「自分のことしか考えてなくて
あなたを酷く傷つけた…

テヨン、お願い 私を見て…」




掴んでいた腕を引いてテヨンを振り返らせると、
今にも泣き出しそうな顔でテヨンは目に涙を溜めていた
その顔を見て、胸が締め付けられたように痛くなった
私は泣きそうな顔をしたテヨンをゆっくり抱き締める



パニ「テヨン… ごめんね」


テヨン「なんで謝るの?
わ、私と…別れたいの…?」


パニ「そうじゃない
そうじゃないの…

あなたをこんなに傷つけたけど、
それでも私はずっとあなたの傍にいたい」



少し体を離してテヨンの顔を見ると、彼女はぼろぼろと涙をこぼしていた
私は両手でテヨンの頬を包み込んで涙を拭う



パニ「テヨン、こんな私だけどずっと一緒にいてくれる…?
ずっとテヨンの傍にいたいの
愛してるから…」


テヨン「グスッ…そんなのいいに決まってるじゃん
ティファニーと……グスッ…ティファニーと私はずっと一緒にいるって決まってるんだよ!」



テヨンは涙を流しながらそう言ってくれた



パニ「テヨン、ありがとう
愛してるわ…」


テヨン「私も愛してるよ」




二人でギュッと抱き締め合った後、
体を離して見つめ合い、私からテヨンに口付けた

しばらくして唇を離そうとすると、
テヨンが私の唇を追いかけてきて、そのまま二人で長い口付けを交わした








その夜、私達は宿舎に帰らなかった
ホテルに泊まり、感情のままに愛し合った
私はテヨンを優しく愛し、彼女にも深く愛してもらった

そして、何度も何度も求めてくるテヨンに応え、
二人で日が昇るまで愛し合い続けた





次の日の朝、
私が買ったお揃いのブレスレットをして、二人で宿舎に帰った
メンバー達に連絡くらいしろって怒られたけれど、
私とテヨンがしっかり手を握り合っているのを見て、
「まぁ…良かったわね」と笑って許してくれた





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