Book2 s
□蜘蛛と蝶 飢餓
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YoonA side
飢えが止まらない
目の前に渇望して止まないものがあるのに、
手を伸ばせば届くのに、
誘惑に負けて下手にそれを食らったら自分が死んでしまうことは明らかで…
甘過ぎる地獄
まさにそれだった
やっかいな相手を好きになってしまったものだ
そう思うけれど、
だからといってその気持ちを消すことはできない
今日も私は自分から自分の首を絞めに行く
仲間として、妹としてあなたの傍に立ち、
あなたの願いを叶えるため
あなたが私を少しでも求めてくれる限り、
あなたの中に私の居場所があるのだと思えるから
あなたが私のものではなくても、
なるべく傷つくことがないように
まるで真綿でくるむように大事にしたい
私の飢えは止まないけれど、
彼女が時々くれるご褒美のような笑顔で
かろうじて飢えをしのいでいた