Book2 s

□羽音の行方 心が求めるもの
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Jessica side





ユナがみんなにウンジュさんとのお付き合いを報告してから、
みんなはウンジュさんが近くにいると
二人をさり気なく会わせてあげたりしてサポートするようになった





今日も私達の楽屋のソファに並んで座り、
手を繋いで見つめ合って話すユナとウンジュさん





鏡越しに見える二人の姿が私の胸を締め付ける…










見たくない

見たくないのに…









鏡を見ないようにうつむき、
机の上にあるメイク道具を見つめる


二人をお祝いムードのみんなの中で異質な私の存在







ユナ…
私、あなたと姉妹に戻るべきなのよね

前みたいにただ仲良かった姉妹に…




わかってる
でも…まだ無理だわ





私、あなたが欲しくて堪らないの
どうしようもないくらい…








涙がこみ上げてくる


私は机の上で組んだ両手の上に額をのせ、
崩れそうになる自分をなんとか持ち直す




泣いちゃダメよ
ユナに心配かけたくない







そうやってしばらくじっとしていると、
ユリが話しかけてきた




ユリ「シカ どうしたの?
体調悪い?」


シカ「ううん 何でもないわ」



私は顔を上げてユリにそう告げた
上手く笑顔ができたかはわからないけど


すると、
タイミングよく私の携帯が鳴った



シカ「あ…オッパ」


ユリ「はぁ〜そうでした
ふふふ あんたには心配してくれる彼氏がいたわね」


シカ「いや、別にそうでもないけど…」


ユリ「何?喧嘩でもしたの?」


シカ「ううん… 最近メールの回数とか増えて、
デートに誘われることも多くなった」


スヨン「何それ?ノロケ〜?」




スヨンが急に会話に加わってきた




シカ「いや、別に…」


スヨン「これだから恋人いるやつは…
あっちでもこっちでもイチャイチャしやがって」



スヨンは楽屋の中のテヨンとティファニー、ユナとウンジュさんを見て、
また私を見てからわざとらしく首をすくめた




シカ「私は別にイチャイチャしてないわよ
寧ろなんか変なのよね…」


ユリ「変って?」


シカ「ちょっと前まではオッパと全然連絡取れなかったのに、
最近になって急に頻繁に連絡来るようになったし、
デートにもよく誘われるし…」


ユリ「確かに何か変ね…」


スヨン「う〜ん…なんか心境の変化があったんじゃない?
良い方向への変化ならいいじゃん」






確かに好き合う恋人同士ならば、
この変化に喜んだのかもしれない


でも、もうオッパとの別れを考えていた私には、
この変化が奇妙で少しわずらわしかった







今は活動が忙しいから時間が取れないけれど、
時間が取れたらオッパとちゃんと別れよう



そう思いながら、
私は最近頻繁にくるようになったオッパからのメールに時たま返信をした








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