Book2 s

□バカップル バイバイまたね
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Jessica side





ユナ「ユン!行くよ〜」


ユン『ワンワンッ!』





ユン、ジェシーと一緒に過ごせる最後の日
ユナと一緒にユン達を連れて広い公園にやってきた

ユナは公園の木陰にシートを敷いて座る場所を作ってくれると、
すぐにユンを連れて楽しそうに走って遊びに行ってしまった






ユナ達は元気ね〜
まぁそんなところも可愛いけど



私とジェシーはシートのところでのんびりとお留守番
木陰で涼みながら、ユナとユンの様子を遠目に愛でていた





それにしても…


公園にはペット連れの人が結構いたけれど、
ユンとジェシーは一際目立っていた
だって、明らかに美犬と美猫

ジェシーは動きも顔立ちも毛並みも優雅で品がある猫だし、
やんちゃなユンも顔立ちはシュッとしていてカッコいいし毛並みもつやつや。
黙ってお座りさえしていれば、
それなりに高貴な育ちの犬に見える



シカ「あなた達、よっぽど可愛がられてるのね〜」



2匹の手入れやしつけがよく行き届いているのは、
預かって1日目にすぐにわかった

2匹はそれぞれ個性的だけれど、
最低限のマナーはきっちり教え込まれていた
ジェシーはむやみやたらにいろんなところで爪とぎする子ではないし、
ユナも何にでもガブガブ噛み付くようなことはしない
ご飯もトイレも綺麗にするし、
今だって2匹ともリードをしていないのに逃げ出すようなこともない


まぁジェシーはもとからリードをするタイプではないみたいだけど



でも、ともすればリードを離した途端に楽しそうに駆け出して戻ってくることさえ忘れそうなユンでさえ、
こうしてちゃんと私達の言いつけを守っているのだから不思議だ
個性を失わせるようなむやみやたらなしつけはしていないけれど、
本当にしてはいけないことはちゃんと教え込まれている


そんなユンとジェシーを見ていると、
2匹の飼い主さん達の懐の広さと温かさを感じた



シカ「良い飼い主さんに出会えたみたいで良かったわね」



そう言いながらジェシーを撫でると、
ジェシーは嬉しそうに少し尻尾を揺らした











ユナ「あはは ほらユン!休憩休憩〜」


ユン『ワンワンッ』



ユナは楽しそうに笑いながら走って戻ってくると、
ユン用の器に水を準備してユンの前に置いた
ユンは嬉しそうにその水をがぶ飲みし始め、
ユナもその様子を眺めながら嬉しそうにお茶を飲んでいた



ユナ「オンニ達も一緒に遊ぼうよ
向こうの方に散歩に行こう」


シカ「暑いから動きたくない…」


ユナ「何それ〜 公園に来た意味ないじゃん
行こうよ〜」


シカ「ジェシーもきっと私と一緒よ」


ユナ「違うも〜ん
ジェシーは一緒に行ってくれるよね?ね?」



ユナが微笑みながらジェシーを撫でると、
ジェシーは顔を上げた




ユナ「ほら!満更でもなさそう
ジェシー おいで」



ユナはジェシーを抱き上げ、
「ジェシー、行くよね〜?」
なんて言いながらジェシーの顔に顔を寄せて遊んでいる



ユナってば、いつの間にジェシーとあんなに仲良くなったのかしら



あんなことされたらすぐさま引っかきそうなものなのに、
ジェシーは大人しくユナにされるがままになっていた




むっ…





私に似ているジェシーがユナになついているのは、
なんだか少し面白くない
ユナが私よりジェシーを可愛がり、
私にあまり構ってくれなくなってしまうんじゃないかって、
そんな危機感さえ湧いてくる




シカ「ユっ、ユナ!散歩行こう」


ユナ「えっ?」


シカ「行きたかったんでしょ?行くわよっ」


ユナ「え?
ふふふっ、うん」



ユナは私の顔を見て笑い、
ジェシーを降ろして移動する準備を始めた





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