Book3 t2

□片時雨 雨曇り
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TaeYeon side



振られた相手は仕事仲間であり同居人なわけで、
顔を合わせない日なんてほとんどない
強いて言えば、どちらかが海外への仕事に出た日くらい?

だけど、こういうときに限ってそんな仕事が入っていない



そして、今日はみんなで宿舎で飲んでて、恋の話になっちゃったりなんかしてる
リビングの床に食べ物とお酒を広げてゲラゲラ笑いながら騒いでいる私たちは、
とてもじゃないけどテレビでは見せられない
そして、こんな開けっぴろげな会話も、とてもじゃないけど公共の電波にのせられない



どのグループの誰がカッコいいとか、誰は遊び人だからダメだとか、
そんな話をキャイキャイやってるその中で、
私はなんだかちょっとだけいたたまれなかった

今までは適当に相づち打って、
なんとなくみんなに通じるような好みのタイプを言って話に加わればよかった
だけど、今回はそんな風にしても若干一名にはそれが嘘だとばれてしまうわけで…

しかも、その一名こそが好きな相手だったりするわけだから尚更タチが悪い





スヨン「テヨ〜ン
あんたは最近どうなの?」


いい感じに酔っ払ったスヨンが私に話を振ってきた



テヨン「どうなのって…」


スヨン「だって、いつもこういう話になると空気になるじゃ〜ん
良い人いないの?」


テヨン「あ〜…」



スヨナ…
よりによって今、その話は振ってくれるな…




ユリ「ははっ テヨンはミステリアスだからね〜」


シカ「っていうか、根暗?」


テヨン「おいっ」


ソニ「で?」


テヨン「え?」


ソニ「どうなの?」


テヨン「は? あ〜……
今はそういうのいいかな
仕事で一杯いっぱいだしね」



っていうか、この前振られたし…




って喉まで出かかったけど、かろうじて堪えた




怖い
お酒って怖い

普段閉じ込めてることまでなんだか言っちゃいそうになる





ヒョヨン「あんたいっつもそう言ってるじゃん
つまらん!」


テヨン「つまらなくてすみませんねぇ」



ヒョヨンに笑いながらそう言うと、
こっちを見ていたティファニーと目が合ってお互いにすぐに視線を逸らした



えっと…
なんだか気まずい





ソヒョン「テヨンオンニはどんな男性がタイプなんですか?」


テヨン「あ〜… タイプ?
タイプは〜…」



ちょっとちょっと
なんだこれ 気まずいわ!

気まずいこと山の如し!






前まで男性嫌いかっていうほどこれ系の話題に入ってこなかったソヒョンにこの話題を突っ込まれるとは…

でも、みんなが興味津々といった表情で私を見てるから答えないわけにはいかない



テヨン「タイプは〜…
う〜ん 同い年くらいの人がいいかな?」


ヒョヨン「で?」


テヨン「で?って…」


ユナ「オンニ、他には?」


テヨン「う〜んと… 自分を持ってる人?」


ヒョヨン「で?」


テヨン「ははっ まだ足りないですか…
え〜っと…… ちょっと守ってあげたくなるようなときもある感じ?」


スヨン「ふんふん」



って、まだなんか足りないって顔でみんなに見つめられてるし!




テヨン「笑うと可愛かったり…?」




っていうか、笑うと目が三日月になったり?




シカ「ふ〜ん 可愛い系が好きなのね」


テヨン「あ〜…そうなのかな?
はははっ…」


ユリ「な〜んかドライだね〜
『彼氏欲しい!』とかなんないわけ?」


テヨン「う〜ん…」




欲しかったよ
ずっと欲しかった…


たった一人がずっと欲しかった






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