Book3 t2

□片時雨 水たまり
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TaeYeon side




振られたことをジェシカに話してから、
もやもやと自分の中に溜まっていた気持ちが少しだけ楽になった
ティファニーを好きな気持ちは相変わらずだけど

振られてもこの気持ちが変わらないならば、私はずっとティファニーを見つめていよう
例え友達としてしか傍にいられなくても、彼女と笑い合えるならそれでいい
そう思うようになった



そんなときだった

ティファニーと二人で海外でのK-POPコンサートの司会の仕事が入った
しかも、半分近くのメンバーは他の仕事の関係で参加できなかったので、私たち二人だけの参加になった







コンサート前日
私達は現地に前入りし、スタッフさんとの打ち合わせなどを済ませることになっていた
空港に向かう車の中でマネージャーオッパから飛行機のチケットを受け取りながら、
今日の予定の大まかな流れを聞く



マネ「〜でスタッフさんと打ち合せして、おそらく解散は×時頃になると思う
終わるの遅いし、今日はホテルから外に出ないようにしてくれ
コンサートは明日だから警備員なんかもあまり用意してないらしいんだ」


パニ「わかりました」


マネ「あ、ホテルだけどツインで予約したぞ
別にいいよな?」


テヨン「え?」


マネ「え?ダメだったか?」



私がチラッとティファニーを見ると、彼女は少しだけ顔を赤くしてぎこちなく笑った



うん わかってる
気まずいよね




テヨン「なるべくならシングルの方がいいんですけど…」


マネ「なんだ?喧嘩でもしたのか?」


テヨン「無理ですか?」


マネ「どうしてもって言うならホテルに聞いてみるが…」


パニ「いえ、大丈夫です
テヨン、一緒に泊まろう?
別にいいじゃない」


テヨン「え?
まぁ…ティファニーがいいならそれで…」


パニ「オッパ、ツインで大丈夫です」


マネ「なんだ?
喧嘩してるなら今日中に仲直りしろよ?」


テヨン「あ〜…はい…」




ティファニーの返事が意外だった
さっきはあんなにぎこちなく笑っていたのに…






空港で飛行機への搭乗を待っているとき、私は隣に座っていたティファニーに尋ねた



テヨン「ねぇティファニー
部屋、良かったの?
気まずいんだったら無理しなくていいよ
私がオッパにうまく言うから」


パニ「あ〜ホテルのこと?
もう予約しちゃってるなら別にいいじゃない
テヨンは私と一緒の部屋嫌?」


テヨン「そうじゃなくて
ティファニーが嫌なんじゃないかってこと」


パニ「嫌なわけないわ
今までも同じ部屋に泊まってたじゃない」


テヨン「そうだけど、これまでと事情が違うでしょ?
それを言ってるの」


パニ「違わないわ
私とテヨンは親友で、メンバーで、一生一緒にいるんだもの
そうでしょ?」


テヨン「そうだけど…」



なんだか頑なな態度のティファニー
私はそれ以上何も言えなかった





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