Book3 t2

□片時雨 雲
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TaeYeon side




次の日、K-POPコンサートを終え、再び二人の部屋に戻った
私はティファニーより先にさっさとシャワーを浴びると、
彼女がシャワーを浴びている間にベッドで寝た
昨日二人で寝た方ではないベッドに、
ティファニーが潜り込んでこないようにベッドの真ん中で横になった

しばらくして寝る準備を終えたティファニーが「テヨン…?」と私に声をかけたけれど、
私は寝たふりをして反応しなかった



彼女と一緒に眠りたくないわけじゃない
本音を言うと眠りたいのは当たり前だ

だけど、それは自分を苦しめるだけだってわかってるから、
私は自分の欲望を封じ込めた



パニ「寝ちゃったのね…
テテ、お疲れ様
Good night」



柔らかい声が後ろから降ってきて、頭を優しく撫でられる
後ろを振り返って起きていることを伝えたい衝動にかられたけれど、
ダメだと自分に何度も強く言い聞かせて必死に堪えた



私は何をやってるんだろう…?
なんでこんなに振り回されているんだろう?




実際は私が勝手に振り回されているだけで
ティファニーにとってはただの友達へのスキンシップ
なんだか虚しくなってくる



自分だけがこんなに舞い上がったり落ち込んだり…
本当に私、何やってるんだろう…





ティファニーが部屋の照明を消して眠りにつく

彼女が眠ってからしばらく経った後、
私はティファニーに背を向けて寝ていた体を仰向けにして布団から腕を出した




テヨン「はぁ〜……」




暗い天井を見ながらため息をついた後、そのまましばらくじっとしていた














パニ「テヨン…?」




ドキィッ




え?
起きてた…?



恐る恐る隣を向くと、こちらを向いて横になっていたらしいティファニーが私を見ていた




パニ「やっぱり起きてたのね…」


テヨン「…」




なんと言い訳をすればいいのか分からず、私は黙り込んだ




パニ「なんで寝たフリなんか…」


テヨン「ごめん…」


パニ「…ううん ちょっと寂しかっただけ」


テヨン「…」




私と彼女の想いが全然交わっていない気がして、私はもうどうしたらいいのかわからなかった





テヨン「ティファニー」


パニ「ん?」


テヨン「…」


パニ「何?」


テヨン「少し…距離を置きたい…」


パニ「…どうして?」


テヨン「わかってるでしょ?」


パニ「わからない」


テヨン「わかって」


パニ「わからないわ」






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