Book4 t3

□ソシクエ 旅の主旨
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1泊どころか3泊をどこかで過ごしてきたユナは、
輝かしい笑顔と、その腕に見るからに甘い夜を一緒に過ごしてきたであろう踊り子をくっつけて宿屋に帰ってきた


スヨン「あ〜…えっと…
うん、ここ数日で何があったか二人の顔を見ればわかるわ」


二人は旅の仲間の前に並んで立ち、
ユナがジェシカを皆に紹介した


ユナ「こちらはジェシカだよ
皆で観たステージの踊り子さん」


シカ「ジェシカです
よろしく」


テヨ「ど、どうも…」



ジェシカが恥ずかしそうに皆にぺこりと頭を下げると、
ユナはジェシカの腰を引き寄せて彼女に甘い顔を向けた



スヨ「ここまでデレデレしてるユナ、初めて見たわ…」


テヨ「二人ともぺったりくっついたままだね〜
…羨ましい」


長く旅を共にしてきた仲間には見せたことのなかった顔を見せるユナに驚く一同
しかし、さらにユナは驚くべき一言を放った



ユナ「あのね、私シカオンニと結婚しようと思うんだ
それで、この村に残って二人で新居を構えようかと」


「「「「え!?!?」」」」


テヨ「結婚?え?」


クォン・ユ「え?ユナ、村に残って結婚するの?」


ヒョヨ「え?ごめん、話聞いてなかった」


スヨ「は?
ちょいちょいちょい待て〜い!!!」



そんなみんなのツッコミも聞こえていないのか、
ユナは体ごとジェシカの方を向き、二人はじっと見つめ合って二人の世界に入り始める



ユナ「少しだってシカオンニと離れたくない」


シカ「ユナ…」



ジェシカは頬を染め、潤んだ瞳でユナを見上げる
ユナは彼女を見つめ返して愛おしそうに微笑んだ

スヨンを除いた三人は、呆気にとられた顔をして二人をぽかーんと見つめていた



スヨ「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ
ユナ、この村に残るの!?」


一人慌てふためくスヨンだが、他の三人は何よりもユナの結婚に興味津々だった


クォン・ユ「え?待って、出会って三日で結婚!?
何それ羨ましい!キャー!!おめでとうユナ!」


テヨ「ふむ 確かに、踊り子さんはユナ好みのおっぱい…」


ヒョヨ「結婚パーティーはダンスパーティーよね!?
いや〜想像しただけで体が動くわ!」


クォン・ユはウザいくらいのハイテンションで結婚を喜び、
テヨンはジェシカの胸を凝視して意味ありげにニヤけ、
ヒョヨンは今からパーティーを想像して踊り狂い始める

そんな三人を見てスヨンはわなわなと震え始め、
ユナの肩を掴んで説得を始めた


スヨ「ユナ、あんたがいなくなったら残りはヘタレとアホとバカしかいなくなるじゃん!
私どうしたらいいのよ!!」


しかし、そんなスヨンの悲痛な叫びに納得のいかない三人


テヨ「ちょっとスヨン!ヘタレって酷くない!?」


クォン・ユ「いくらなんでもテヨンにヘタレアホとまで言わなくても…」


ヒョヨ「いや、アホは間違いなくあんたでしょ」


クォン・ユ「心外ね!ヒョヨンのバカ!」


ヒョヨ「バカって言う方がバカなんですぅ〜!」


クォン・ユ「今2回言ったからヒョヨンがバカじゃん!」


ヒョヨ「今あんたも1回言ったよ?」



どちらがバカかという不毛な争いを始める遊び人と笑わせ師
スヨンに言わせりゃもはやどっちでもいい
戦闘において二人が使えないことに変わりはなかった

笑わせ師クォン・ユは未だ特技を「ぼけ」しか覚えていない
戦闘でボケの構えをとり、
成功したら相手から受けた攻撃を「な〜んちゃって♪」と舌ペロしながらなかったことにできる特技
成功しなかったらただのアホである

クォン・ユの「ボケ」の成功率は今のところ1割くらい
つまり9割は「な〜んちゃ…ぐはあっ!」なことになっている
スヨンからしたらただのアフォである
このアフォを庇って、ユナが今まで何度相手の攻撃を受けてくれただろうか


一方、遊び人ヒョヨンの唯一の特技が「タップダンス」
本人の身かわし率がアップするため、ヒョヨン自身があまり攻撃を受けることはない
しかし、攻撃もしない
攻撃型のテヨンとユナがいなかったら、
敵の前で延々と一心不乱に踊り続けるただのバカである



テヨ「え…?あれ…?
クォン・ユは私のことヘタレアホだと思ってたの…?
へた、ヘタレアホ…っ…グスッ…わだぢ…へたれあほじゃないぼん…グスグス…」


そして戦闘センスはあるのにヘタレなテヨン
身長が低く、童顔、加えてヘタレなため、モンスターだけでなく町人にもなめられる
この前はスライムのぬいぐるみを抱っこしながらパーティーの先頭を歩いていたため、
町のちびっこから「ちーびちーび!お前スライム抱っこしないと眠れないのかよ!」とからかわれ、
「グスッ…ぢびじゃないぼん!わだぢぢびじゃないぼん!」とユナに抱き付いて泣いていた



不安だわ…
この四人だけになったら不安しかないじゃない



スヨンは焦っていた




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