Book4 t3

□ソシみて Red or Pink 10
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お姉さまと超特急で書類仕事を終わらせ、皆に半ばからかわれながら薔薇の館を急いであとにした
喫茶店に駆け込んで、息切れしながらマスターに声をかけて尋ねる


テヨ「あ、あのっ…!
ティファニーは大丈夫ですか?」


マスタ「ああ、テヨンちゃん
大丈夫か?走ってきたのかい?」


私はなんとか呼吸を整える
そして、「私は大丈夫です。ティファニーは?」
と重ねて尋ねると、マスターは私を安心させるように優しく微笑みながら教えてくれた


マスタ「ティファニーは昨日より熱が下がったみたいなんだけど、
まだ本調子じゃないから今は寝てるんだ
もしこの後テヨンちゃんに時間があるなら、ちょっとうちに寄っていくかい?」


テヨ「えっ、いいんですか?」


マスタ「ああ、是非寄っていってくれ
実は俺も奥さんも店があるからついていてやれなくてね
ちょっとだけ様子を見てきてほしいんだ」


テヨ「はいっ
私がティファニーの様子を見てきます!」


マスタ「ありがとう
頼んだよ」



その後、マスターの奥さんにおうちに案内してもらい、
私はティファニーの部屋の前にやってきた


マスタ妻「今は寝てると思うけど、ちょっとだけ起こしてご飯を食べさせてあげてほしいの
その後に薬を飲むように伝えて
おかゆはキッチンに準備してるから温めてあげてくれる?」


テヨ「はい、わかりました」


マスタ妻「本当にごめんね、テヨンちゃん
こんなこと頼んじゃって」


テヨ「いいえ、私もティファニーの傍にいてあげたいので」


マスタ妻「ふふっ ありがとう
よろしくね」


テヨ「はい」



お店に戻っていく奥さんを見送った後、
私はご飯の準備をして再びティファニーの部屋に向かった
ドアを静かに開け、彼女の部屋にそろそろを足を踏み入れる



テヨ「ティファニー…
私だよ、テヨンだよ
大丈夫〜…?」


初めて入るティファニーの部屋を興味本位で少しだけきょろきょろと見回しながら、
私は部屋の奥にあるベッドに近づいていく
私が今日ずっと想いを巡らせていた彼女は、
薄いピンクの布団に包まれ、額に冷えピタを貼った状態でベッドですやすやと眠っていた

冷えピタの上に掌を乗せると、これがちゃんと機能しているのか不思議になるくらい熱くて、
彼女の熱が未だ下がり切れていないことを知る

これで昨日より熱が下がったんだ…


彼女はどれだけ体が辛いだろうかと思いやり、思わず掌を移動させて髪の上から頭をなでてやると、
彼女が小さく「ん…」と声を漏らした
薄くまぶたが開き、ゆっくりと目を開いたティファニーはぼんやりとした表情で私の姿を捉える


パニ「ん…おば…さん…?」


テヨ「ふふっ 違うよ」


パニ「ん…テヨ…ン…?」


テヨ「うん、そうだよ
体、大丈夫?
ちょっとだけ起きておかゆ食べられる?」


パニ「うん…」


もそもそと動いてなんとか起き上がろうとする彼女の背中に腕を回し、
上半身を起こすのを助ける
近くの椅子にかけてあった上着を手に取って肩にかけてあげると、
「ありがとう…」と彼女が小さく微笑んだ


テヨ「ちょっと待っててね
すぐにおかゆ持ってくるから」


すぐにキッチンに向かい、用意していたおかゆを持って部屋に戻る
ベッドの上には、体を起こしていながらまだ夢うつつを彷徨っているような顔をしたティファニーがいた


テヨ「おかゆ、食べられる?」


パニ「ん…」


テヨ「きついだろうから、ゆっくりでいいよ」


パニ「ん…いただきます…」





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