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□第3話 修行1日目
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花音、日番谷、雛森は十番隊修練所に来ていた。
「あのさー」
「あ?」
「何?」
「さっきから周りの視線が気になってしょうがないんだけど…」
そう…異世界の者、つまり花音が十番隊にいるという噂を聞いて駆けつけた死神達がうじゃうじゃいるのだ。
「ち、ちょっと…私も思った」
「へぇ…"ちょっと"なんだ?"すごく"じゃないってことは、桃はうちの気持ち、分かってくれてないんだぁ?」
「へっ?あ!ちがう!本当はすっごく気にしてたんだよ!!」
「別にいーんだけどねぇ」
「花音ちゃーんっ…いじけないでよー!」
相変わらず花音はそっぽ向いたまま。
「日番谷君〜…とりあえず人なんとかしてよ」
桃は助け船を求めた。
「あのなぁ…、それができたらしてるぞ。俺が言っても噂好きのこいつらには意味ねぇだろ…」
日番谷は溜息を吐きながら言う
「だがまぁ、中が見えない結界を張っておいた。あっちからはこっちの様子は見えねぇ」
「…で、うちは何すればいい?」
「じゃあさ、蒼火墜打ってみて!あの白い的に」
「分かった…」
花音は二人から少し距離を置き、詠唱文を唱える。
「君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽挿き・ヒトの名を冠す者よ 真理と節制 罪知らぬ 夢の壁に 僅かに爪を立てよ…破道の三十一、蒼火墜!!」
ビューン!ドカーン!
花音が放った蒼い爆炎は、正確に的に当たっていた。
しかも威力も抜群で、的が壊れている。
「すご…。すごいよ!」
桃は花音に抱きついた。
「まさか…できるとは思わなかったわ」
「ねぇ、花音ちゃんが知ってる一番強い破道して!」
「うーん…。一番強い、かぁー。浦原さんが使ってたやつかな…あ、でもこれは確か…」
「何?」
「うちの背後から来るやつだから絶対うちの周りにいないでね」
「分かった!じゃあ私たち…こっちにいるね!」
そう言って雛森と日番谷は部屋の隅へ移動した。