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□第8話 雪晶色花の想い
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六番隊
「恋次ー!」
花音は六番隊執務室の戸を勢いよく開けて入る。
「なっ…花音!?」
突然の登場で驚きを隠せない恋次。
花音はずかずかと白夜の前へ行き、持ってきた書類を渡した。
「はいっ白夜」
「……」
白夜は黙って書類に目を通していく。
「……確かに受け取った」
白夜は無表情でそう言い、自分の書類に目を戻してまた書き始めた。
「……つれないね、白夜は」
花音は白夜に聞こえないように、声を小さくして恋次に話しかけた。
「…朽木隊長がそんなキャラだと思うか?」
「全然。だったら逆に気持ち悪!……あ」
やばっ!声大きくしちゃった!
「…兄ら」
白夜は花音と恋次を睨みつけ、ゆっくりと近づく。
そして、千本桜を手にした、
やばー… 白夜完全にキレてるよ
まぁでも、これはこれで面白いことになりそー♪
千本桜を手にした白夜を、恋次は慌てて止めに入った。
「た、隊長!落ち着いてください…っ!…て、花音も止めろよ!」
「なんで〜?面白そうじゃん♪白夜と戦ってみたいし!」
そう言って花音はニコニコしながら雪晶色花を構えた。
「も〜〜〜〜!なんで朽木隊長も花音もそうなんですかっ!」
恋次は悲鳴に近い叫び声を上げ、二人の前に立ちはだかる。
「どけ、恋次」
「邪魔!」
二人は恋次を睨みつけていう。
が、恋次はビクビクしながらも、その場から動かなかった。
と、そのとき
カンカンカンカン!
『これより、隊首会を始めます。各隊長及び副隊長、そして十番隊所属の静川花音、至急一番隊へ招集してください。繰り返しますー…』
「……だってよ、朽木隊長、花音」
「「……」」
二人はしばらく恋次を睨んでいたが、やがて斬魄刀をしまい、にらみ合いもやめた。
その様子に安心してか、恋次はほっと溜息を吐く。
「何安心してんの?本当に殺しあうわけないじゃーん♪」
ニヤニヤしながら言う花音。
「……朽木隊長に冗談が通じると思うか?」
「冗談じゃないよ?」
「冗談じゃないとしても!てめぇら二人は本当に殺しかねそうだからやめろっていう話だ!!」
「…確かに」
白夜は負けず嫌いだし、私も負けたくはないし…。
「…兄ら、急ぐこともできぬのか?」
そう言った白夜の顔は、いつもの無表情ではなく、怒り爆発寸前で話していた二人は、一瞬で凍りついた。
「「は、はい!すみませんでした!」」
(さすがにここで白夜を本気で怒らせるのはまずい…)
(…朽木隊長を怒らせたらどうなるか、分かったもんじゃねぇからな)
それぞれそう思った二人は、素直に白夜に従い、白夜とともに一番隊へ向かった。