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□第11話 彼女の謎
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花音side


『花音…っ!』


目を開けると、心配そうにうちを見つめた、雪晶色花が目の前にいた。


ん?ここって……


花音は体をゆっくりと起こす。



……あれ?

さっきまで疲れてたのに、身体が軽い?



それに景色は…闇?




『心配したのですよ!いきなり具現化だなんて…!』


雪晶色花は半泣き状態。


『ごめん…。てゆーかここ…は?』


『花音の精神世界です。現実の花音はまだ眠りから覚めていません。あんな……無茶をするから…っ!』


思わず主に抱きついてしまう雪晶色花。


『ごめん…でも、藍染には…同じ催眠同士の卍解しかないと思って…』


『それは……そうですが…!もう少し自分を大切にしてください!!あなたは本当に昔か…ゴホンッ、いえとにかく!!自分優先にしてください!』


『…はい』


雪晶色花の説教は、それからおよそ5時間にものぼった。












ビクッ


丁度雪晶色花の説教タイムが終わった頃、花音の身体がピクリと震えた。


『…花音?どうしたのですか?』


『わかんないけど…冬獅郎が危ないきがする……!』


『…なぜわかるのですか?』


『うち、なぜかいつもすごく勘がいいの。だから、たぶん…間違ってない』









そうでしたね。


あなたは昔から勘がよかった。


だから"あいつ"にも………










『……私の予想ではおそらく、藍染と戦っていますね』


『藍染!?それなら行かなきゃ…!雪晶色花!早くここから出して!!』







『それはー………できません』









雪晶色花は花音の頼みを拒否した。


思わぬ展開に動揺する花音。


『な、なんで!?』


『私にとって大切なのはあくまで主…花音、あなただけです。日番谷様に何が起ころうと、気にも留めません』



『……今、なんて言った?雪晶色花』


急に花音の声が低くなる。



『そのままの意味です』


『………うちを大切にしてくれてるのはすごくわかる。だけど、冬獅郎を失ったらうちは…後悔しか残らないんだよ!?うちが抜け殻になってもいいの!?』



『!!』



抜け、殻…………。



暴、走………。




封、印………。





虚、化……。







そう、全てはあなたを守れなかった私のせい…。





花音…………。





『………わかり、ました………。でも…!!一つ約束してください………』



『…なに?』


『……絶対に死なないと。抜け殻に…ならないと。』


花音は一瞬驚いたが、すぐに笑顔になり…



『当たり前じゃん!』




と、元気よく言った。







花音……




今度こそは…"あいつ"から花音を守ってみせます




もう二度と、あなたを傷つかせたくない……。













傷つくのは…昔のあなただけで十分だから………。















『では…元の世界へ戻します…!』



雪晶色花がそう言ったとたん、眩しい白い光が花音を襲う。


なに、これ…!?


『きゃあああああ!』


花音はそのまま光に飲まれ、何も考えられなくなっていったーーーー…………。
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