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□第22話 各戦闘
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「ん………」
目を開けると、そばには卯ノ花がいた。
「お気づきになられましたか…。3日も眠っていらしたのですよ…」
「れ…つ……」
名前で呼ばれた卯ノ花は目を見開く。
「……今、なんと?」
「…烈…って言ったよ」
「…やっぱり…あなたはっ…!」
「そうだよ…。うちは…封印されていた死神の花音…」
そう言って、花音はニコリと笑った。
そんな花音に卯ノ花は優しく抱きしめた。
「やはり、花音で間違えなかったのですね…」
「…どうしてわかったの?」
「実は…なんだか花音の霊圧に懐かしさがあって…。で、倒れた花音が発見された時にデータを入力したのですが、そのデータが昔の…要するに花音そっくりで…もしかしたらって…」
そう言って卯ノ花は花音をしばらく抱きしめた後、ゆっくりと離れた。
「…それにしても大きくなられましたね。相変わらずお顔は童顔ですが…」
「もう烈っ!余計なお世話!」
「…ふふっ。冗談ですよ。それより、これからどうするんです?」
卯ノ花の問いかけに対して、花音はうーんと考え込む。
「そうだなぁ…とりあえず、藍染の奴を止めないと」
「…藍染隊長なら花音が眠る前から死亡しましたが…」
「え?」
死亡?いや…あれ?でも…
確か桃とイヅルが戦っててうちが止めて、冬獅郎が来て………
かかってたのって、本当に死体だった?
「…なんなら見てみますか?」
そう言って卯ノ花は花音を奥の部屋へと案内する。
卯ノ花が"死体"と指したものは…
鏡花水月が置いてあるだけだった。
「……ねぇ、烈。これ藍染に見える?」
「え?はい…」
烈の様子からしてみんな…催眠をかけられているんだ。
花音は険しい顔をして鏡花水月を見つめた。
「…花音は未来がわかるのですよね?…これから、何が起こるのでしょうか……」
「……ごめん、烈。実は…昔の記憶を取り戻したら…その…書物のことが全く思い出せなくなっちゃって……」
花音はシュンとうなだれた。
「…そうなのですか。でも、花音は戦闘能力も霊圧探知能力も直感も当たるし、きっと大丈夫ですよ」
「…雪晶色花と同じこと言ってる。でもありがと」
「あら。同じ意見でしたのね」
「…みたいだね。あっ!そうだ…うち総隊長のところ行ってくる!」
「…無理はなさらないでくださいね?」
卯ノ花はドス黒い笑みで花音にそう言った。
「わ…わかってるよ…」
花音は若干冷や汗をかきながら、四番隊を出て行った。
夜一side
その頃、夜一は一護と斬月の戦い…卍解の習得を見守っていた。
「本当に…3日でできるのじゃろうか」
一護の腕は確実に上がってきているものの、卍解までに達することができるのか…そんな不安が頭をよぎる。
『夜一サーン』
「………」
ふと、肉球から浦原の声が聞こえてきた。
「…なんじゃ」
『そんな冷たい声で言わなくてもいいじゃないスかぁ〜!こうもっと優しく!暖かく!』
「はよせぇ!!わしは今一護の卍解を見とるんじゃ!」
夜一はただでさえ不安でストレスが溜まっていたというのに、浦原のその態度でついに爆発し、怒鳴り散らした。
さすがに浦原も察したようで、すぐに真面目な態度になった。
『静川花音の件ですが…やはりあの花音サンで間違いないッス。しかも生まれ変わりとかじゃなくて…あの時の本人』
「…なら、力と記憶は?」
『花音サンの斬魄刀が記憶を封じたようですので、斬魄刀が花音サンに記憶を返したいと思ったらおそらく…』
「………」
それを聞いて夜一は少し目を細めた。
「…わしが心配なのは…わしらが追放された理由が花音にばれたときじゃ」
『アタシもそう思います。花音サンの性格上、自分のせいだって責任を負いそうですから。……まさか、四十六室とかに手をかけたりはしないとは思うっスよ……多分』
「…いや、あの子ならやると思うのう。何せ、"喜助のためなら何でもする"って言っとったからのう」
『ええ!?花音サンそんなこと言ってたんスか!?』
「うむ。花音は喜助のことが大好きじゃからのう…」
『……夜一サン、そっからはストップです』
「…喜助お主やはり……」
『……自分でも…びっくりしたッスよ……。まさか……あんなに小さな子を……』
「…………ま、喜助はロリコンじゃからな」
『えっ!?違いますよ!?』
「何を言うとる。今でもウルルに手を出しそうではないか」
『出しませんって!』
「はっはっはっ!!!……冗談はこのくらいにしておくかのう。じゃあまた何かあったら連絡頼む」
『わかりましたぁ〜!』
そう言って浦原との通信は切れた。
「喜助………哀れな男じゃ」
そう言いながら、一護の方へと目を向け直した。