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□第23話 市丸の想い
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日番谷side
「市丸と…藍染!?」
「や、日番谷君」
藍染は…本当に静川の言ってた通り…死んでなかったのか。
…!
花音…!?
日番谷は市丸に抱えられている花音に気づき、霊圧をグンっと一気に上げた。
「…てめぇら…静川に何をした?」
「別に何も…?」
「…雛森はどこだ?」
「どこかな?」
…!
この霊圧は…!
くそッ…弱ってやがる!?
日番谷は藍染と市丸の後ろにある奥の部屋から感じる弱々しい霊圧を辿って、瞬歩で移動すると…
身体を真っ赤に染めた雛森が目に入った。
「雛森……」
日番谷はその惨状に目を見開く。
…雛森の身体から、静川の霊圧がする。
どうゆうことだ?
「…これは静川がやったのか?それともてめぇらがやったのか!?」
「…さぁ?どうだろうね」
「…俺は…静川の方を信じる…静川が雛森を殺すとは思えない」
「……そう言うと思ったよ。100年前も彼女…静川君は誰からも信頼されていたし、好かれていたからね。僕以上に」
「…!100年前の…静川…。てめぇまさか…100年前の静川に何かしたのか!?」
「…彼女だけは僕の正体を見抜いてしまってね…。おまけに勘もタイミングも良い上に、強かったから大変だったよ……」
ニヤニヤとしながら語る藍染。
花音…お前は…
100年前、藍染にやられたってのか!?
「…てめぇ…!霜天に座せ、氷輪丸!」
日番谷は怒り任せに藍染に向かっていく。
日番谷が氷を藍染へ反射させたと同時に、市丸が瞬歩でその間に入ってきた。
そして…
市丸は抱えている花音を盾にして、二人はニヤリとして笑った。
「…っ!」
花音!!
日番谷は咄嗟に氷輪丸を止める。
だが間に合うはずもなく、花音を氷漬けにしてしまった。
「…おやおやひどいじゃないか。日番谷君」
「…てめぇらっ!!花音を盾にしやがって!!」
「あら?日番谷はんは花音ちゃんのこと"静川"って呼んでへんかった?」
「…今は関係ねぇだろ!」
公事と私事を判断できるほどの余裕は、今の日番谷にはなかった。
怒り狂う日番谷に、市丸は全く怖くなさそうな声のトーンで「おー怖」と小さく呟く。
「……許さねぇ…雛森まで傷つけやがって!!卍解!大紅蓮氷輪丸!」
「…君も愚かだね。また同じことをするつもりかい?」
日番谷の身体には、藍染の鏡花水月が。
なんでっ……
藍染は遠いところに市丸と突っ立ってるっつーのに…!
日番谷はゆっくりと倒れていった。
「…僕の鏡の水月は能力はわかっていたとしても、絶対に誤認させる…必ず騙されるんだよ、日番谷君」
クッソ……!
催眠ってわかってるのに…
いつ使ってやがるのかすら把握できねぇ…。
日番谷はそのまま意識を手放した。