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□第24話 一時終戦
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え………?
どうしてみんな動いてないの…?
「ちょっと…冗談、だよね?みんな………」
そうつぶやいても誰も返事をしない。
見向きもしない。
…当然動きもしない。
「どうして…」
なんで突然……
『神の子の特殊能力…それは、時間・空間の操作、封印、魂魄の変換………他にもいろいろあるのだが、まさに"神"の領域に入るものだ』
ま、さか……
「時間が…止まったっていうの…?」
答えるものは誰もいない。
風の音も人の呼吸音も霊圧の動きも何もしない。
世界でただ一人だけ
自分だけしかいない…そんな感覚。
「お願い…みんな返事して……」
一人は、嫌だ……
どうやったら時を戻せるの…?
「…!な、にこれ…」
花音の身体から、まるで霊力が抜けていくような…薄い気体のようなものが出ていく。
時間を止めた…代償…?
だけど…
違う、うちは…時間を止めたくて止めたわけじゃない…
どうやったら…どうやったら元に戻せるの!?
花音は動揺しすぎて、ルキアを助けることなんか忘れて、ただ時間を元の時間にしたいことだけでいっぱいになってしまった。
誰もいない、動かない、うちだけ、一人ぼっち……。
「……喜助……助けて…よ…っ」
喜助はいつも助けてくれた。
うちを救ってくれた。
だけど、喜助ですら解決できない問題なら…
うちはどうすればいいの………。
「…待って」
もし時間動かなかったら
うちはどうなるの?
みんなは動かないままなの?
そんなの嫌……だ……
お願い…お願いだから…
「お願いだから……時間動いてよおおおおおおお!」
花音がそう叫んだ瞬間、市丸の神槍か動いた。