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□第2話 不思議な刀
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「あれ…?これ…」
花音は廊下で急に立ち止まる。
「なんでここに刀が?」
「…刀?」
花音の声を聞いた日番谷が振り返る。
「……あぁ、その刀は昔から十番隊に置いてあるんだ。誰かの物らしいからな…といってもそいつは死んだらしいんだが。」
死んだ……
花音は無意識のうちに刀に触れていた。
なんだろう……
すごく、すごく懐かしい感じがする……
この胸騒ぎは何…?
「日番谷隊長…これ、私がもらってもいいでしょうか…」
「別に構わんが…」
「本当ですか!?ありがとうございますっ!」
「お、おう…」
花音の嬉しそうな笑顔に思わず驚いた日番谷だったが、しだいに笑顔になっていった。
しばらく廊下を歩いていくと…
「…ここだ」
日番谷が扉を開けて入る。
「おっ…おじゃまします」
花音は緊張しながら中へと足を踏み入れた。
部屋の構成はだいたい執務室と一緒だったがさすがは隊首室。かなりの広さだった。
日番谷は押し入れから布団を取り出し、床にしいていく。
「…あんま人の物見んなよ?それじゃ」
「あっ…ありがとう」
あ…タメで言っちゃった!
言い直さなきゃ…
「いやっあの…ありがとうございました!」
「…別に敬語じゃなくてもいい。まぁどっちでもいいんだがな」
そう言い残し、日番谷は自室を出て執務室へ戻った。
…うーわぁー!マジで?!
冬獅郎とタメ?
やったぁああああ!!
「…でも、なんでうち尸魂界にいるんだろう…?」
花音は一人呟く。
まぁ…考えても無駄かな…。
とりあえず、もとに戻るまで楽しんじゃう!?
花音は日番谷がしいた布団へ入り、身体を休ませる。
…冬獅郎のにおいがする。
って、うちは変態か!!
もう寝よう!
まぶたを閉じるとすぐに眠くなり、眠りにおちていった。
『ーーー花音っ…』
な、に…?
聞こえない…誰?ここは?
『誰なの!?』
『花音っ…ようやく…
貴方に会えたっ』
『…え?』
暗闇の中、なんとか目を目開いてその人物を見上げる。
『も…しかして…』
『そう…私は貴方の斬魄刀よ』
『うち…の?』
『ええ。貴方の力はね…奥深くにあったの。ずーっとよ。尸魂界に来て私は呼びおこされた…。いままで貴方は無意識に霊圧を押さえ込んでいたの。そう、昔みたいにね…。』
『え?ちょっと待って!!何…言ってるの?』
『もう時間がないの…。でもこれだけは言っておくわ。貴方の知っている記憶をどう使うかは貴方しだい。絶対に後悔のないようにね…』
だんだん花音の意識が現実へと戻されていく。
まって…あとちょっと!!
『待って!貴方の…名前は!?』
『私の名前は…"雪晶色花"…』
名前が聞こえたと同時に、花音の意識は現実へと戻された。