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□第8話 雪晶色花の想い
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「じゃ、宴会決定ね☆今夜8時からで!後は隊長よろしくっ!」


そう言って乱菊はダッシュで一番隊を出て行った。


「松本!!午後の仕事サボろうとすんな!」


日番谷は叫んだが、すでに乱菊の姿はなかった。


「静川……帰るか」


日番谷はそう言って花音の方へと振り返るが、花音は顔をこわばらせていた。





まって、あとどれくらいで一護がくる?




四十六室を殺してから何日め????






結局、止められなかった。




この四十六室の決定を止めれば……




藍染が四十六室を殺して催眠をかける前に止められれば…






もう、戦いなんで起こらなかったのに………。







「花音?どうしたー…


「冬獅郎………四十六室、が……」



声が、震える。



「四十六室がどうしたんだ!?」


「四十六室がー………


「あら?まだいてはったんか。十番隊長はんと花音ちゃん?」


突然の第三者の声に、二人は驚いて振り返る。


「い、市丸…」
「ギ、ギン…」


そこには、ギンがニヤリとしながら立っていた。


「何の話をしてはったん?四十六室が何や?」


「!」


…盗み聞き、されてた!?


そんな!!あのとき近づいくる霊圧なんてなかったはずなのに…


「……」


花音はギンの視線から逃れたくて、下を向いてうむついた。


するとギンは、そんな花音にゆっくりと近づき、そして耳元で…






「…藍染はんがお呼びや」







え…………










それを聞いた瞬間、花音の頭は真っ白になった。



わざわざギンを使って呼び出してくるということは、自分自身に何かを仕掛けてくるのかもしれない


……ここで死ぬ可能性もあるのね。



なら…!!!



ガバッ!



「「「!?」」」



花音は日番谷に突然抱きついた。


抱きつかれた日番谷も、そばて見ている市丸も、目を見開いている。


「ーあとで見て」


花音は日番谷の耳元で小さくつぶやき、抱きついた体勢で誤魔化すようにして、日番谷の死覆装のポッケに何かを入れた。


「………」


日番谷から離れた花音は、ギンの様子を見る。

ギンは抱きしめたことに目が行き、花音が何かを入れたことには気づいていない様子だった。



…………よかった。





「ギン、藍染はどこ?」


キッと睨みながらギンに尋ねる。


「そんな怖い顔せぇへんでや。五番隊におるよ?」


「…桃は?」


「さぁ?いるんとちゃう〜?」


「……分かった」


花音は五番隊へと瞬歩で向かった。






「なぁ、市……


「もう伝えたからボクに用はあらへんなぁ〜。ほな、失礼しますわ」


何かを言いかけた日番谷を止め、ギンも瞬歩でどこかへ去ってしまった。


残された日番谷は、周りに誰もいないことを確認して、先ほど花音がポッケの中に入れたものを取り出した。


「これは……手紙、か?」


花音からもらったのは二枚の手紙。


日番谷はそれを読んでいく。


「こ、れはー…………」


手紙を読み始めた瞬間、日番谷の顔はみるみるとこわばっていったー……。
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