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□第8話 雪晶色花の想い
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「…雪晶色花。うちは今、あなたを屈服させます…!」
花音は雪晶色花に向かっていく。
「……」
「縛道の六十三、鎖条鎖縛!」
花音がそう叫ぶと、光の鎖のようなものが雪晶色花をめがけてとんでいく。
しかし、雪晶色花は全く動じなかった。
「ーーーーー"雪巻"」
「!?」
そう雪晶色花が言うと、突然竜巻のような雪と混じり合ったものが起こり、花音の視界が見えなくなった。
「ーーー花音…。私はもう少しあなたが強くなっているかと思いました…。が、まだ弱いです。まだあなたに卍解という力は与えられません」
雪晶色花はそのまま消えようとしたが、突然花音が叫ぶ。
「雷鳴の馬車 糸車の隙間光もて比を大つに別つ…縛道の六十一、六杖光牢!!」
「!?」
消えようと力を込めていた雪晶色花は反応に遅れ、花音が放った六つの帯状の光が、雪晶色花を囲うようにして突き刺さり、動けなくなった。
「…花音」
「うちは…逃げていいなんて言ってないよ。雪晶色花。諦めるなんて言ってないよ」
…ここで諦めるわけにはいかないんだから。
「……」
「縛道の…ーー」
「花音」
詠晶文を読もうとしたが、雪晶色花に止められた花音。
「雪晶…色、花?」
「…もういいのです」
本当は、もうすでに…あなたは習得しているのです…。
そう、
・・
昔のあなたが。
卍解も、鬼道も全てにおいて。
あなたは本当はもう習得している。
けど、私があなたを守るために、あなたの尸魂界に関する全ての記憶を預かった。
本当は教えたくないわ。
すでに卍解を習得していることを。
もしもまた、尸魂界の事件に巻き込まれてしまうのが、とてもとても恐ろしくて…。
でも、あなたはそんな尸魂界を救おうと、必死に卍解を習得しようとしている…。
昔のあなたと今のあなたは少し状況が違う。
だから、私は力をあまり与えたくなかった。
でも、その諦めない意志の強さや自分を貫き通す力は変わらない。
なら………
私は主を信じるだけ。花音なら…尸魂界の悪魔に負けないって。
「花音…。私の力を解放してください」
「え…でもさっき…」
「あなたは諦めなかった。そんなに思いが強いあなたになら、私は良いと思ったのです。」
あぁ…これであなたにまた危険が近づいてしまう。
でも、こんなに頑張っている主を私は………
騙しているのですね……。
雪晶色花は少し寂しそうな切ない表情をしていた。
「……ありがとう、雪晶色花」
花音は藍染らをキッと見上げ、叫んだ。
「卍解!!ーー幻影雪晶色花!」
そう言った花音の姿はそう…まさに幻のように消えていた。