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□第10話 旅禍到着
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「……松本」


「はい」


「俺は四十六室を確かめに行く。松本は黒崎一護らを全力でサポートしろ!」


「はいっ!」









「ーーーーーそんなことはさせないぞ?」










「!?」


突然の声に日番谷と乱菊は驚いて振り返る。



「藍……染」




そこには眼鏡越しにニヤリとしている藍染が立っていた。



「やはり、静川君は全てを話していたようだね…」


「てめぇ…」


日番谷は目に殺気を宿し、藍染を睨みつける。


「僕の計画は誰にも邪魔させない」


「………」



花音をあんな目に遭わせやがって…




日番谷は氷輪丸を握りしめた。


「隊長ダメです!きっと隊長じゃ……


「下がれ松本!俺はこいつを倒さなきゃ気がすまねぇ!」


乱菊は日番谷を止めようとしたが、逆にピシャリと言われ、おずおずと引き下がるしかなかった。


「卍解!大紅蓮氷輪丸!」


そういった日番谷の身体は、あっという間に氷の龍と一体化した。


「俺はてめぇをゆるさねぇ…」


「……」


日番谷は氷の竜を藍染に向けて操るが…


「な!?」


藍染は向けた場所にいなく、別の場所にいた。


しかも………






いた場所からすぐには移動できない、遠いところに。








ブシャァァァ!



「………っ!!」


身体から大量に溢れる、血の音。


それは藍染のものではなく……








日番谷のものだった……










何故だ…!?

藍染は確かに、あそこにいたはずなのに!!!!







『護廷十三隊は全員、藍染の完全催眠の餌食になっているということだよ』








ーーーーーそうか。

これが花音の言っていた催眠か…!!




そのままバタりと倒れる日番谷。


「隊長!!」


すぐさま日番谷に駆け寄る乱菊。


「ま……つも…と」


「隊長っ!喋んないでください!!今、四番隊呼びますから!」


乱菊は急いで通信機を手にする。


「こちら、十番隊副隊長、松本乱菊です。日番谷隊長が重症を負いました!!至急、救護班を白道門付近までお願いします!」



松本、ダメだ…。

四番隊に連絡したら…俺が何故こんな重症を負ったか絶対に質問される…。




それが藍染を倒すため…なんて言ったら…………







まてよ!?

もし、藍染が一方的に俺たちが攻撃してきたと言って、催眠のようなものをかけたら……







俺たちは、尸魂界の…護廷十三隊の反逆者となってしまう…。




「ま……て……ま、つ……」


乱菊へと伸びていた日番谷の手は、 パタリと地面へと落ちていった。



「隊長?隊長!!しっかりしてください!隊長ってば!!」


乱菊の叫びを最後に、日番谷は完全に意識を手放した。
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