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□第11話 彼女の謎
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「………っ」
花音はゆっくりと目を開ける。
「ここ…は…」
辺りを見回すと、四番隊ということがわかった。
が、四番隊がいつも以上に騒がしいことに、疑問を抱く。
「……静川さん!?起きられましたのですね」
「卯ノ花隊長…!」
そういや、生で会話するのは初めてだな…。
でも、何でだろう。
うち、卯ノ花隊長と喋ったことがあるような…。
「…静川さん?」
声をかけられた花音はハッとして我に帰った。
「あ…なんでもないです!ところで…この騒ぎは一体??」
卯ノ花は言いにくそうに眉間にしわを寄せて…迷いながら口を開いた。
「…実は、日番谷隊長が先ほど何者かにやられまして…」
「冬獅郎が!?誰に!?」
「…それが、分からないのです」
「分から、ない…?」
どうゆうこと??
「はい。側には松本副隊長がおられて、通信機で連絡を受け取ったのですが…。私たちが駆けつけてきたときに不思議な言葉を発したんです」
「…不思議な言葉?」
「はい。"誰もいなかったのに日番谷隊長がいきなり血を噴いた"と」
……誰も、いなかった?
「しかし日番谷隊長も松本副隊長も、どちらも持病はありませんし、先ほど確認しましたが特に病気等は見当たりませんでした。それに、日番谷隊長の傷は、どう考えても刀による切り傷としか思えません」
ま、さか………
藍染が……乱菊に催眠をかけた?
固まる花音。
「何か…心当たりがあるのですね?」
「は、い…。でも………」
花音は言いにくそうに口を濁した。
それを見逃さなかった卯ノ花は、花音に優しく微笑む。
「…無理に言わなくていいのですよ。話したくなったら話してくださいね」
「…はい、ありがとうございます…」
花音を看病し終えると、"今日は休んでいてくださいね"と殺気を宿した目で一言言いのこして、治療室から出て行った。
「冬獅郎……」
うちの、せいだ………
あんなこと頼んだのに、うちが藍染なんかにやられるから…!!
また、同じことを繰り返してしまうなんて!!!!!
「………え?」
花音の思考が止まる。
「うち…今、何て思った…?」
ズキッ…
花音の頭に、突然痛みが走った。
なに、これ……
ガンガン揺さぶられてるみたいに痛い…!!!
「っ!!」
花音はその痛みに耐え切れず、そのまま倒れて気絶してしまった。
卯ノ花sid
卯ノ花は…ずっと花音の治療室の前で、花音の独り言を聞いていた。
「花音………あなた…」
やはり……気のせいではないのかもしれませんね……。