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□第12話 旅禍再度到着
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花音side


花音は四番隊から出て行った後、てきとうに瀞霊廷内を歩いていた。


……一護。やっと、来てくれた…。


空を見上げると、一護たちは原作通りに砲弾の中に入って、瀞霊廷を覆っている遮魂膜にぶつかっていた。


「よかった…。喜助もありがとう」













『きすけ…いつもありがとね!』















何、今の…?


なんか、声が流れ込んできた…?



「き、すけ………」






うち……喜助と、何か………







「…なわけないない!!だいたいBLEACHの世界に来ちゃったこと自体がおかしいのに、その前にましてや話したことがあるなんてあるわけない…!!」


花音は頭をブンブン振って、これ以上考えることをやめた。


「……ふぅ。さて、まずは一角さんたちだよね」


花音は神経を集中させ、一角の霊圧を探る。


すると、副数人の霊圧が見つかった。


「…一角さんと弓道さんは、一護とガンジュと接触中か…」




…とりあえず、一角の方が重症を負うはずだから、一角vs一護の所に行こう。


花音は瞬歩で一角と一護が戦っているであろう場所へと向かって行った。















花音は一護たちの霊圧がすぐ側に感じるところまで来ていた。



どこ…だろ?


ドドドドドカーン!!


「何…!?」


大きな音がした方へ行くと、一護たちが戦っている真っ最中だった。



見つけた!!



花音は霊圧を消して、屋根の上に座る。





『ーーーーもう一度言うぜ、一角』


そう言って一護は空中に飛んで一角に向かいながら、斬魄刀を構える。


(…はぇぇ…!)


一角は、一護の動きについていけなくなっていた。


『次に剣を握れなくなるのはあんただ!』



ドーーン!!




一護の斬魄刀が容赦なく、一角の鬼灯丸と一角自身に降り刺さった。




ポタポタと真っ赤な血が、一角から溢れ出し、地面を赤く染めていく。


『はぁっはぁっ…ぐ…くそっ…!』


一角は荒い息をしながら体勢を立て直した。


『へっ…どうした…。もう終わりかよ?残念だったなぁ…俺はまだ、剣を握れるぜ…!』


ニヤリと笑みをこぼし、鬼灯丸をブンブン振り回す一角。


『俺に剣を握らせたくなけりゃ…この腕落とす他に方法は無ぇぞ!』


『……剣を引けよ』


『断るぜ』


『引けって言ってんだ!勝負はついてる!もう判んだろ、あんたの負けだ!』


『なんの寝言だ?こいつは戦いだぜ。勝負を決めるのは生死だけだ』


一角は血を垂らしながら一護に近づいていく。


『…更木隊三席、班目一角。ここで退いて永らえるほど…腑抜けに生まれた覚えは無ぇ!』


一角はダッシュで一護に向かっていく。

しかし、一護は一角より上の浦原との練習を思い出し…


『おせぇっ!』



と言い放って、一角の腕を斬りつけた。


当然、一角からは大量の血が溢れ出す。


『くそっ…強えなぁ、てめぇ…。ちっ、ツイてねぇや…』





ドサッ








一角はその場に倒れこんだ。




『…ツイてねぇのはお互い様だ。ちくしょうめ』


一護の腕にも、一角が最後に残した傷があり、そこから流れる真っ赤な液体は、地面を赤く染めていく。




……そろそろ、かな。




花音はストンっと地上へ降り立った。



「…黒崎一護さん…」


「誰だ!?」


後ろから突然声がして、振り向く一護。


だが、その人はもう後ろにはいなく、一護の前に移動していた。


「なっ…!?」


一護は一度その女から離れ、斬魄刀を構えた。


えっ…なんで一護こんなに警戒してんの!?


あ、そっか。うち今尸魂界側だもんね…。



「そんなに警戒しないでくださいよ…。浦原さんから聞いてませんか?」


「……浦原さんを知ってるのか?」


「知ってるも何も…一護さんたちを尸魂界に送り出し、朽木ルキアの処刑を止めてくださいと言ったのは私です」


「な……」


「…自己紹介がまだでしたね。十番隊三席、静川花音です。どうぞよろしくお願いします」


「あ…あぁ…」


一護は自分の敵であるはずの死神からよろしくだとか言われ、深く混乱していた。
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