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□第14話 動く藍染
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花音side

雛森の叫び声には、もちろん花音も反応していた。


桃っ…!

ついに来たか…藍染の計画!


花音は急いで東大聖壁へ向かった。














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側にいた副隊長らは、雛森の悲鳴に何事かと思い、雛森のところへ一斉に駆け寄った。


「どうしたんだ!?雛森君!何が…っ」


「あ…ああ…あ………」






……藍染が、死体となった姿で壁に貼り付けられていた。












「藍染隊長…藍染隊長っ!いやだ…いやです…藍染隊長!!」


雛森が叫んでいると、コツ…と後ろから誰かの足音が聞こえた。


「何や朝っぱらから騒々しいことやなァ」


そう言って歩み寄ってきた正体は市丸。






『…花音からの忠告だ。三番隊と九番隊には気をつけな…』










その言葉を思い出した雛森の目は、一瞬で目に殺気を宿した。


「お前かっ!!」


雛森は市丸に向かって走り出し、斬魄刀・飛梅を抜く。


カキィィン!


それを止めたのは市丸ではなく、市丸の前に立ちふさがった吉良だった。


「吉良くん!どうして…」


「僕は三番隊副隊長だ!!どんな理由があろうと、隊長に剣を向けることは僕が許さない!」


「お願い…どいてよ、吉良くん…」


「それはできない!」


「どいてよ…どいて…」


「だめだ!」


「どけって言うのがわからないの!?」


「だめだと言うのがわからないのか!?」


「弾け!!飛梅!」


「なっ…!」


怒りに任せた雛森は、飛梅を解放してしまった。


その瞬間に、ものすごい音量の爆発音が響き渡る。


吉良は雛森と少し距離をとった。


「自分が何をしているのかわかっているのか!?公事と私事を混合するな!雛森副隊長!」


雛森は吉良を無視し、吉良のすぐ横に向かって飛梅で攻撃した。


「…そうか、なら仕方ない…。僕は君を…」


そう言って吉良は侘助を手にする。


「面を上げろ、侘助!」





そのとき、突然花音が二人の間へ入ってきた。








「…動かないで。どっちも!」







「…花音ちゃん……」











シュッ!

すぐ横に日番谷が降り立つ。


「とらえろ、二人ともだ」


その指示で乱菊は雛森を、檜佐木は吉良を捕らえた。


「総隊長への報告は俺がする!そいつらは拘置だ!連れて行け!」


乱菊らは、二人を連れて瞬歩で五番隊へと連れて行った。





「すんませんな十番隊隊長さん、うちまで手間かけさせてしもうて…」


市丸は日番谷に一歩歩み寄ろうとしたが、それを花音が許さなかった。


そして、花音は二人の間へ立ちふさがった。


「…ふざないで。うちはこれが仕向けたことって知ってるんだから…!」


「……」


市丸を睨み上げる花音。


しかし市丸は怖がりも動揺もせず、むしろ余裕の笑みを浮かべた。


「ほんま…威勢がええなぁ。元零番隊隊長さん?」


「は?」
「え?」


日番谷と花音の声が重なる。


「だ、誰のこと言って……


「そんなの、花音ちゃんしかおらんやろ?」


「何….言って…うちはっ…異世界から………っ」


「いや、表向きは六番隊副隊長さんやったから、六番隊副隊長さんの方が正しいかな…?」




何を、言ってるの……?






思わず固まる花音。


「まぁ、どっちでもええか。それじゃまたな、十番隊隊長はんと元六番隊副隊長さん…」


そう言い残して、市丸は二人の前から消え去った。







「……ど、ゆ…こと………?」


「………」


それを見ていた日番谷は険しい顔をする。





卯ノ花の言っていた…事件とこいつ自身に何か関係が…?








「うちは一体…なん、なの…?」


そう言って花音は突然、その場で倒れこんだ…ーーー。
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