I want teach… ”love”
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その手紙には、父と母からの遺言…いや、殺された真実が書かれていた。
父と母がウイルスを使った薬を研究しているうちに開発してしまったのが、とても危険な毒薬で。
感染の危険もある薬だったから、一家暗殺とか戦争とかにすごく向いているものだったとか。
まぁ、それを私の両親たちはバレないように隠したのだけど、政府の犬である両親が政府から隠せるはずもなく、見つかってしまったみたい。
だけど、両親は最後まで政府にその薬に関する情報を話したり、渡そうとはしなかった。
むしろ、拷問をされても命をかけて守ろうとしていたらしい。
それで…どうしてもそのデータと薬が欲しい政府は最終手段をとった。
…私の両親を殺し、研究データと薬を奪う、と。
もちろん、普通に殺してしまえば政府が悪者になってしまい、国民に批判される。
だから、あくまで"自然"にを重視した暗殺を犯した。
そして見事に自然に交通事故という暗殺にはめられてしまった両親は他界に。
両親たちは狙われていることを知っていて、最後にその研究のことが書かれた手紙を私に残していたのだ。
だから、あの偶然…起きてしまった事故は、実は必然的で政府によるものと気づいた。
けれど、私はただの普通の女の子。しかも小学生。大人にいっても信じてくれるわけがなく、しかも私まで政府に狙われる可能性が出てくるわけで。
私は薬はすぐに燃やした。
父と母から預かった手紙には、燃やせば気体化とするって書いてあったから。
政府が父と母に迫ってきていて、データを消したり薬を燃やせるような時間はなくて私に処理をして欲しいと。そして、"ごめんね"って。
だけど…データの方は今も残ってる…。
だって、私にとっては……
父と母の最後の遺品だから…。
最悪の形になってしまったけれど、父と母が研究した成果のデータ。
そんな簡単に消せるはずもなくて……
今も私が預かっている。
幸いにも、父と母は娘がいることを政府に話していなかったらしく、私の存在は知らない。
しかも、私は父と母が亡くなってからは、福岡県から東京都に引っ越してきたの。
だから、私の正体や存在はまだ知られていない。
きっと家にデータがなくて探し回っているのでしょうね。
「………ざまぁみろ」
いつのまにか家の前についていた。