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□第18話 過去・零番隊
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「うちは…死神だよ…。てゆーか…あの、大丈夫…?」


「…俺はな」


「そっか。よかった…」


花音は男の子に笑みを向けた。


「なぁ…どうしてさっき俺の前に出た?あんなの、俺一人で霊圧でどうにかできるってのに……」


「!?」


霊圧…!?

今、霊圧って言った…?


「「あの…ありがとう」」


今度は後ろから声がして、反射的に振り向くと、今度は先ほど治療した女の子と可愛い感じの男の子がいた。


うそ、でしょ……。

もう歩けるの?


「う、うん…気にしないで!それより痛むところあったりする?」


二人は首を横に振った。


「…んっ」


今度は、さっきまで一番重症だった男の子が目をさます。


「「「あっ……」」」


三人はその男の子に駆け寄っていった。


「大丈夫?」


「…あぁ……、てゆーかなんでみんな無事……」

「そこの女の子が助けてくれたのよ」


女の子が花音を指差して言った。


「……は?」


あのガキ女が?

俺らと大して変わんない年齢くらいのやつが?


「ねぇ…今酷いこと思わなかった!?」


「だって…俺らと同じ子供じゃん!」


「あーーっそうやって子供だからって甘く見てると痛い目みるよー!?………まぁいいや。君たち名前は何?」


「「「「…………」」」」


そう言うと四人は黙り込む。


「私たちね、名前ないのよ」


女の子が俯いてそういった。


そっか…この子たちは家族がいないんだ…。

お腹すくから、誰も拾ってくれなくて。

それで…………


「…じゃあ、うちがつけてあげるね!」


「「「「はぁっ!?」」」」


「んーっとじゃあ…一番初めにボコボコにやられてた君は瀬川狂星!狂ってるからー!」


「何だよそれ!狂ってるってどうゆうことだよ!ってかやられてねーし!」


「あははは!まいいから♪いいから♪で、その可愛い顔してる君は栗山琴里ね!ってか、男の子…だよね?」


「うん…男です…。あの、その名前女の子っぽくないですか?」


「だって君女の子みたいなんだもん!まさにふわっとしてる女の子だよね!」


「………………いや、だから男…」


「えーーーっと…二人は双子…なの?」


唯一の女の子と、攻撃をかわしていた男の子はとても美形で、よく似ている。


「あぁ…よくわかったな」


「どっちが上?」


「俺だ」


「へぇ〜…んじゃあ君が花咲怜央で、そっちが花咲真央ね!二人とも美形だから花が咲くっていう苗字!まぁ名前は…イメージで?」


二人は名前が気に入ったのか、微笑んでいた。


「ずりぃぞ!お前らだけ!俺、狂ってる星だぞ!?なんだよ、このネーミングセンスの無さは!?」


「僕なんて女の子の名前ですよ!?」


「……るせぇ黙れ」


「そうよ。美形に生まれなかったあんたたちが悪いのよ、バーカ」


四人はたちまち喧嘩を始めた。


「ストーップ!喧嘩はやめて!そして話を聞いて!」
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