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□第18話 過去・零番隊
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花音が喧嘩を止めに入ったので、四人は仕方なく喧嘩を止めて花音を見る。


「えっと、改めて自己紹介します!うちは静川花音です。ちなみに、隊長でっす!」


「はぁ!?お前が!?」


「何よー。狂星口悪いなぁ、うち隊長だぞー」


「子供だし、所詮ままごとだろ!」


「ちっがうし!じゃあ勝負してみる!?」


「おうよ、受けて立とうじゃねーか!ちょっと待ってろよ!」


狂星は森の中へ入っていく。


そしてしばらくすると、刀を持って戻ってきた。


"それ"からは霊圧を感じる。

もしかして…


「…ねぇ、狂星その刀、どうしたの?」


「あ?これ?なんかフツーにあったんだよ。フツーに、なぁ?」


他の三人はうんうんとうなづく。


…死神じゃないのに…斬魄刀を持つほどの力の持ち主…?

この子たち一体……?


「か、刀にさ…名前ってあったりするの?ってゆーかその前にみんな持ってるの?」


「あぁ」
「はい」
「あるわよ?」


この四人…本当はとんでもない力の持ち主なんじゃ…。


「ね、ねぇ!三人とももさ、刀持ってきて!」


「あぁ」
「はい」
「わかったわ」


そういって、三人も森の中へ入って刀を取りに戻ってきた。


だが……


怜央の走り方はおかしかった。


普通の走り方にしては、あまりにも早すぎる。


まさか瞬歩?


「これが俺の刀。名前は黒水だ」

「これが私の刀。名前は白姫よ」

「これが僕の刀です。名前は三日月です」

「俺のは夜月」


花音は差し出された刀を見る。

霊圧も霊力も感じ、そして何より名前があるということは…


どう考えても、斬魄刀以外ありえないものだった。


「…ねぇ、四人は霊圧を抑えているの?」


「抑えてるってゆーか自然にできちゃったのよね」

「うん!割と簡単だったんですよ」


私と、同じ…。


花音は目を細める。


「じゃあさ、今から一人ずつ霊圧を解放してみて。結界を張るから」


花音は10平方メートルほどに結界を張った。


「私から行くわ」


ズドン!


途端に真央からどデカイ霊圧が溢れる。

その霊圧ははっきりしていて、隊長格と同じくらい大きくて重たいものだった。


「真央、もういいよ!次、琴里!」


花音がそう言うと、真央からは先ほどの霊圧が嘘みたいに感じなくなった。


「ではいきますね」


ズドン!


琴里からも同じく、デカイ霊圧が溢れ出す。

真央ほどではないが、やはり隊長格並みの霊圧であった。


「次、狂星!」


ズドン!


狂星からも、デカイ霊圧が溢れていく。

琴里や真央よりは小さいが、副隊長並みにある霊圧だ。


「次…怜央!」


ズドドン!


「………!?」


怜央からは信じられないほどの霊圧が放たれた。


真央の霊圧なんてほどではない。むしろ…


隊長格以上のものだ。


花音はポタリと冷や汗を流す。

一方三人は、体が震えていた。


….うそ、でしょ?
隊長格以上の霊圧の持ち主が、流魂街に…うち以外にいただなんて…。


「怜央!もういいよ!」


花音は慌てて止めに入った。


すごすぎる…この子たち…。


「なぁ…お前も解放してみろよ」


「え?」


「抑えてんだろ?霊圧」


怜央はニヤリとして言う。


「…よくわかったね、じゃあ特別に…それっ!」


花音は霊圧を一気に解放した。


すると、周りの空気がピシッと緊張に包まれる。


怜央以外の三人は立てなくて、地面に座り込んでいた。


ピシッ…パリン!


「……ヤバっ!」


結界が割れた…!


花音は咄嗟に霊圧を抑え、座り込んでいる三人に駆け寄った。


「ごめんね…大丈夫!?」


「……お前、霊圧でかすぎんだろ…」

「怜央兄よりあるんじゃない?」

「すごすぎます…」


「ごめんね!一回ほぼ全力で解放すると、扱いが難しくって……っだ!!?」


ボコッ!と大きな音が響く。

それは怜央が花音の頭を殴ったからだ。


「………ったぁー!!何するの?!」


「……お前バカだろ。少しは加減しろ!結界が破れた状態で解放したせいで…虚がかぎつけてくんぞ」

「本当ですよ!怜央の言う通りです」

「バカすぎて逆に呆れるぜ…」


「なっ…ひどい!三人だって解放はしたじゃん!」


「「「「確かに解放はしたけどそれは花音が言ったから(です)」」」」


「………」


それを言われ、何も返せなくなる花音。


その時、虚の霊圧を感じ取った。


「…ホロウね」


真央が目を細める。


「え?真央ホロウの霊圧わかんの!?」


「わかるも何も僕たちいつもあいつらに襲われるので、この刀で倒してたんですよ」


花音は目を見開いて驚いた。


ホロウの霊圧もわかってて、斬魄刀もあるって…もろ死神じゃん。


よし、ここは……


「ねー!四人で倒してみてよ!」


「「「「いーけど…ですけど)」」」」


「えっ?いいの?」


「だって俺ら強いし」


そんなことを言っていると、ホロウが十五体やってきた。
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