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□第20話 過去・変死事件
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「ところでみんな揃ったの?」
「大体な」
「……ふぅ〜ん」
花音は自分で聞いた割に対して興味のなさそうな返事をする。
「おや、花音ちゃんたちー!」
「春水!今日早いね!」
「何言ってんの、ボクはいつも一番乗りだよ」
ニコニコ顔でそう言う京楽。
「今日はあたしがケツ引っ叩いて起こしたんやっ!」
そう言ったのは副隊長の矢胴丸リサ。
「リサ!おはよう!」
「おはよう、花音。朝から元気いいな」
「うん!元気だけが取り柄だからね!」
リサとそんなやり取りをしている時
「…しかしアレやなぁ…。この頃コロコロコロコロよう隊長変わりよんなぁ…」
平子がボケッとした顔でふと呟いた。
「まぁまぁ何事にも変わり時ってのがあるもんだよ。三番隊は引退…っていっても、かなり前にローズが入ってきたし、十二番隊は昇進。十番隊みたく死んだわけじゃないんだ。平和なことじゃないか」
京楽は目を細めてそう笑った。
「昇進!?」
藍染はいきなり隊長二人の間に入る。
藍さん………。
花音は目を細めた。
「あ…失礼しました。隊長たちのお話に……」
「いんや、構わないよ惣右介くん。何だい?」
「……われわれ副隊長は聞かされてないのですが…十二番隊の曳舟隊長は引退ではなく昇進されたのですか?」
「そうだよ」
「隊長位より上というと…四十六室ですか?隊長から昇進して四十六室になったという話は聞いたことがないのですが…」
「四十六室じゃないよ」
花音は小さい身長を生かして、藍染と京楽の間に入り込んだ。
「花音君…。四十六室ではないのなら何なのでしょうか?」
「それはね…王族特務の零番隊さ」
京楽がそう言う。
そう、きりちゃんは零番隊隊長になったんだ。
うちから言えないけどね。
うちが零番隊隊長ってバレるから。
「…零番隊?初めて知りました…」
「まぁ、知るものはそんなにいないからねぇ…おや……」
そこへ、一つの霊圧が近づいてくる。
「…きたみたいだぜ、新入り。並んで待てってよジイさんが」
六車がみんなのお喋りしていた空気を壊して指示を出し、みんなはそれに従って整列した。
…あれ?この霊圧…
もしかして………。
花音は近づいてくる霊圧に見覚えがあった。
キイイイイ…
一番隊の重たい扉が開く。
と、同時に入ってきた人物は…
「ありゃ?え〜〜〜っと、もしかして僕が一番最後ですか?」
ヘラッと笑っている浦原喜助だった。
「きすけええええええ!」
「ぶっ!?」
花音はいきなり浦原に飛び込んで抱きつく。
…が、勢い余ってそのまま浦原を押し倒してしまった。
「喜助だったの!?新しい隊長って!!何で教えてくれなかったの〜!?」
「花音さっ…苦し…!」
花音は未だに浦原に馬乗りになったまま、抱きついていたため、浦原は苦しくて仕方がない。
「これ!花音、その辺にしといてやってくれんかのう」
「夜一さん!!……ご、ごめんね喜助!」
そう言って花音は浦原の上からすぐに退いた。