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□第22話 各戦闘
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花音は状況把握しようと、隊舎の屋根の上にいた。
と、そこへ
「………見つけた」
「……桃」
雛森がゆっくりと花音の前に降り立つ。
「…どうしたの?」
「どうしたの?じゃ、ないわよ…!」
雛森は、花音に刀を…飛梅を向けた。
「も…桃?」
「……藍染隊長の…仇よ……」
雛森は藍染から託された、最後の手紙の内容を花音に伝えた。
「『僕は恐らくすでに生きていないだろう。僕の最も信頼する君のために、僕の暴いた真実の全てをここに記す。
なぜ朽木ルキアは処刑されなければならないのか。なぜ、その期日は早まり続けるのか。それを調べるうちに僕は一つの真実にたどり着いた。
この処刑の真の目的は、朽木ルキアを殺すためではない。この処刑はそれ自体があるものを奪うために仕組まれたものだったのだ。
その、あるものとは双極だ。処刑のときのみその封印を解かれる双極は、矛の方には斬魄刀百万本に値する破壊能力が。礫架の方には同等の斬魄刀を防ぎ切る防御能力がそれぞれ備わっているとされ、更には処刑により死神の身体を貼り付け、貫くことによってその力は瞬間的にその数十倍にまで膨れ上がると言われている。
この処刑を仕組んだ何者かはその力を使い、瀞霊廷のみならず、尸魂界そのものを破滅させようと企んでいるのだ。
その忌まわしき者の名はーーーー………静川花音』」
…藍染のやつ…、やってくれるね。
それに、双極の力を使おうとしてんのはお前だろ!早めてんのも四十六室を催眠にかけてるからだし!!
花音は目を細めた。
「…そしてこう続くの。『今夜僕は東大聖壁の前に彼女を呼び出しておいた。彼女の企みを討ってはくれないか。それが僕の最後の願いだ……」
雛森の手が震え、涙が伝ってゆく。
「五番隊隊長としてでなく…一人の男として…君に…願う…』」
雛森は震える手を押さえ、花音に飛梅を振り下ろした。
花音はそれをヒョイっと簡単に瞬歩で避ける。
「なっ!?」
「…白伏」
花音がそう言うと、雛森は意識を失ってその場に倒れた。
昔の記憶を取り戻す前の花音だったら、今のを避けることはできなかっただろう。
だが、昔の記憶を取り戻した今、戦い方の隅々まで知っていた。
シュッ!
「雛森……!しっかりしろ!」
降り立った人物は、日番谷だった。
「静川!?どうして…」
「………」
「……静川…目、覚めたんだな。よかった…」
「…………」
「静川……3日前は…その……」
「………いい。やめて、日番谷隊長。今はそんなことより…桃を保護して」
「あ…あぁ……」
花音が日番谷隊長と言ったことに驚いたのか、少し反応が遅れていた。
「あーれまぁ、まーたうまくいかへんかった」
「「!?」」
雛森を抱えた日番谷と花音の背後に市丸が立っていた。