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□第23話 市丸の想い
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市丸side

日番谷が完全に意識を失ったと判断すると、市丸は氷漬けとなった花音の側にいき、ハンマーで氷のみを叩いて花音を解放する。


…よかった。

日番谷はんが氷輪丸を止めたおかげで…間に合わなかったものの、氷が薄くなっとってた。


けど…


「めっちゃ冷たなっとる…。大丈夫なんやろか…」


氷漬けされたことには変わらない。

そのため、花音の身体は体温が低下し、ものすごく冷たくなっていた。


「大丈夫だろう。静川君はこのくらいでは死なないさ。…ところで市丸、そのハンマーどっから出したのかい?」


「これですか?ボク、いつも持ち歩いてはるんですよ」


「………まぁいい」


藍染は若干気にくわなそうな顔をしたが、特に気に留めなかったようだ。


…そんなわけあるかい。

藍染はんが日番谷はんに仕掛けるゆーてはったから、もしかしたら花音ちゃんまで巻き込まれるかもしれへん思うて持ってきたものや。


花音ちゃんは…乱菊と似とって……


殺すのをためらってしまう。



…ボクの悪いとこや。

乱菊のこととなると、弱なってまう…。


藍染はんに気づかれへんようにせんとな…。



「さて…行こうかギン」


二人はこの場から立ち去ろうとしたが…


「…やはりここでしたか。藍染隊長」


と声が聞こえてゆっくりと振り返る。


そこには、険しい顔をした卯ノ花と虎徹の姿があった。








卯ノ花side


「どうも…卯ノ花隊長、虎徹副隊長」


「…!」


…何故花音が市丸隊長に抱えられているのでしょうか…。


まさか……


卯ノ花は市丸をチラリと見て言った。


「…花音に何をしたのです?」


「何もしてないさ。ただ眠ってもらっているだけだよ」


……眠っている?


眠らされた理由が気になりますが…どうやら嘘ではなさそうですね。

霊圧は安定していますし…。


「………何故、あれほどまでに精巧な"死体の人形"を作ったのですか?」


「…惜しいね。これは死体の人形じゃあない」


藍染は卯ノ花達の前で自分の死体をスッと掴み上げた。


「!…いつの間に…!」


「いつの間に?この手に持っていたさ、さっきからずっとね。そら…解くよ…。砕けろ、鏡花水月」


藍染がそう言うと、死体の人形では斬魄刀に変わっていた。


…一体、どうゆうこと…?


「…僕の斬魄刀、鏡の水月。有する能力は完全催眠だ」


その言葉を聞き、卯ノ花はハッとした。


「…まさか…100年前の魂魄消失事件や花音の件の犯人は…浦原喜助ではなく…


「そう、僕さ。みんなには浦原喜助がやったようにして、ね…。静川君が封印された後、零番隊が余計なことを言うから計画が失敗するかと思ったが…完全催眠のおかげで計画通り浦原喜助を追放に追いやることができた…」


そんな…。

藍染隊長は…100年前から準備をしていたというのですか…。
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