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□第24話 一時終戦
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「…どうする?いくら君たちでも僕をとらえたままでは彼らとは戦えまい」


そんな藍染に夜一は舌打ちすると、また空から声とともに人が。


その落ちてきた人物は、空鶴と兕丹坊だった。


「おう夜一!あんまり暇だったからよ、散歩がてらに様子見に来たぜ!」


そう一言言うと、空鶴は目線を夜一から三人の門番に変え、詠唱文を読み上げた。


「散財する獣の骨、尖塔・紅晶・鋼鉄の車輪、動けば風、止まれば空、槍打つ音色が虚城に満ちる…破道の六十三、"雷吼炮"!」


それは見事に一人の門番にヒットし、爆炎が舞う。


一方、兕丹坊は、残りの二人をグーで思いっきり殴って気絶させた。



「…ひゃあ派手やなぁ…。どないしよ?」




パシッ!




「動かないで」






市丸の後ろに乱菊が回りこみ、左手を抑えて市丸の首に灰猫を当てていた。


その隙に浮竹が市丸に抱えられている花音を、瞬歩で取り返す。



乱菊…………。




「…すんません、藍染隊長。つかまってもた…。あと花音ちゃんとられてもうた」


そんなこと思うてない。

花音ちゃんが取られてよかった。




「…これまでじゃの」


山本が低い声でそう唸る。


「…なんだって?」


「…わからぬか藍染。もはやお主らに…逃げ場がないということが」


東仙は檜佐木に、市丸は乱菊に、藍染は夜一と砕蜂に捕まり、その周りを虎徹、卯ノ花、日番谷、雛森を除く護廷十三隊が三人を囲んでいた。


「…終わりじゃ藍染」


しかし、藍染は何も動揺を見せず、むしろニヤリと余裕の表情を見せた。


「…どうした。何がおかしい藍染」


「あぁ…すまない、時間だ」


「っ!」


夜一は途端、何かを察知して砕蜂に"離れろ!"と命ずる。


と、一つの光が藍染を囲んだ。


「ば……ばかな……」


空には大量のメノスグランデが。


「ギリアンか…。何体いやがんだ…!」

「いや、まだ奥に何かいるぞ…!」


檜佐木や乱菊らが気を取られている間に、東仙と市丸にも、同じような光が空から降ってきて、二人を囲んだ。


「…ちょっと残念やなぁ。もうちょっと捕まっとってもよかったのに…」


……乱菊に捕まるとか…
あるいみ夢みたいや。


できれば藍染はんのところに行かないで、ずっと乱菊に捕まっていたい。


せやけど…


乱菊が泣かんようにするには、

守るためには…






この手を離さへんとな………。






「さいなら、乱菊。ごめんな…」


市丸は悲しそうな笑みを乱菊に向けた。
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