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□第25話
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「はぁ………」
ひたすら自己嫌悪に浸る。
一度浸ってしまうと抜け出せない…。
なんで…未来の…BLEACHの世界の記憶、なくしちゃったんだろう。
ちゃんと最後まで知ってたら…
桃も冬獅郎も乱菊もイヅルも…
そして……
ギンも……傷つかなかったのかな?
ギンがうちにキスしてきたとき、明らかにうちじゃない誰かを見てた。
見てたのは……
ギンの守りたい人…乱菊のことだろうなぁ。
「…なんで…100年前と同じ結果になるのかなぁ……っ…?」
気づいたときには、涙は止まることなく、ポロポロと機械的に流れていく。
「……花音ちゃん?」
「………春…水……」
いつの間にきたのか、京楽が目の前に立っていた。
「今……100年前って……それに、春水って……」
「……うん。ねぇ、春水…うちってダメダメだよね…。力だけは持て余すほどにあるのに…いっつも油断してさ……暴走したときとこれじゃあ変わんないよ……」
今の花音の目には生気がない……光が宿っていなかった。
京楽はそんな花音を自分に引き寄せて抱きしめた。
「……春、水?」
「…花音ちゃんは相変わらず子供だねぇ」
「……………は?」
慰めの言葉でもかけてくんのかと思ったら、全然違う回答に思わず変な声が出た。
「あのね、そんなの人として当たり前なんだよ?弱いところは誰にだってあるのさ」
「………うちらは人じゃないけど」
「まぁまぁそこは気にしない!というより花音ちゃんさ…」
「何?」
京楽はというとニヤニヤしている。
「零番隊隊長さんだったんだねぇ〜」
「は!?なんで知って……」
「あれ?忘れたの?100年前の暴走事件のとき、花音ちゃん"零"の隊長羽織り着てたんだよ?」
「…………あ」
しまった………。
そういえばそうだった……。
ん?待てよ
零番隊といえば…
「ねぇ春水」
「ん?」
「零番隊のみんなは…あれからどうしたの?」
京楽はその言葉にびくっと身体を震わせた。
「……実はね、その後…花音ちゃんを封印して異世界を送り込んだ後…零番隊は解散したんだよ。しかも…四人はやっぱり我慢できないって封印を解きに行こうとまでしてね…」
「えっ…でもそれは…」
「そう。もちろん、そんなことを四十六室が許すはずがない。かといって権限的には零番隊の方が上…四十六室は強硬手段をとって四人を牢に閉じ込めた。霊圧を封じる、殺気石のね。多分、今も……」
「はぁ!?今も!?」
花音は目を見開く。
だが、それはだんだんと違う笑みに変わっていった。
「へぇ…そうなんだ。へぇ…そっかぁ〜〜〜〜………………あのクソジジィ!!!!」
そう言い残して花音は目にも留まらぬ速さの瞬歩で去ってしまった。
「…僕何かまずいこと言ったのかな…。…ってゆーか花音ちゃん山じぃのことクソジジィって言ったよね…」
京楽は一人、冷や汗をポタリと流した。