”違う”…知ってるそんなこと。
□第 2 話 就職しよう
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六つ子side
「……やばいよ、怒った帆乃香久しぶりに見たよ…」
三男・チョロ松が震えながらそう言った。
「えーそうー?てか、怒った帆乃香も可愛いくて、俺全然気にしてなかったわ〜」
「…おそ松兄さん気持ち悪。でもまずいね。帆乃香本当に出て行っちゃいそう…有言実行タイプだし」
「…トド松に同感だ。俺もこのままだとマイシスターは本当に出て行ってしまう気がする」
「えーーやだー!!俺、帆乃香がいなくなるのやだよ!?野球できなくなるし、つまんないじゃんー!!」
「………俺も」
「一松が素直!?えっ、ちょ、お兄ちゃんびっくりなんだけど〜」
「冷やかしはいいからおそ松兄さん。…じゃあさ、これを機に就職活動してみない?…めんどいけどさぁ」
「トド松…。そうだね、俺は賛成。とりあえず、ハローワークだけでも行こう!そしたら帆乃香が少しは認めてくれるかもしれない」
「チョロ松〜そんなこと言うけどさーハローワークって何すんの?」
「…おそ松兄さんそんなことも知らないの?就職する気0か!!」
「0で〜す」
「……なんか、帆乃香の気持ちがわかった気がする……」
一人、心の中でごめんとつぶやくチョロ松であった。
「俺ハローワークの意味知ってるよ!!!職業紹介とかするところでしょ?」
「そうだけど…なんで十四松は知ってるの?」
「チョロ松兄さん、それはね…帆乃香が前、俺に"ハローワークにでも行ってみたら?"って言ってきたことがあったから、そのとき調べた!」
「帆乃香が十四松に就職のこと教えてたの!?」
「「「「「意外すぎる!!」」」」」
「まって、話が色んな方向に広がりすぎだよ!とりあえず、ハローワークに行こう。みんな支度して!」
トド松のその一言で、全員ダルーーッとしながらも、ハローワークに行く準備をし、ダラーっと6人で玄関から出て行った。
帆乃香side
ほんっとになんなの。
どうして就職してくれないの?
…別にお兄ちゃんたちのことは嫌いじゃない。
むしろ好き、大好き。
だけど…
だからこそ、こっちは心配で。
「……でも、あれは怒りすぎたかも…ちょっと謝りに行こう…」
自分の部屋を出て、お兄ちゃんたちがいるであろうリビングに向かおうとしたが…
あれ?
お兄ちゃんたちみんなどこ行くんだろう?
お兄ちゃんたちは一斉に玄関の扉を開けて、外へと出る。
……追いかけて、みようかな。
私はお兄ちゃんたちが全員出て行った後、見つからないように、お兄ちゃんたちについて行った。