”違う”…知ってるそんなこと。

□第21話 告白(HE)
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「なるほどね。だけどそれって…もし、帆乃香が僕たちを受け入れなかったら…それこそ本当の意味で松野家は崩壊するよ?」

「その通りだトド松。これは当たってみるしかないんだ。でも、上手くいけばみんな幸せ。やってみる価値はあると思わないか?」

部屋が静けさに包まれる。
迷っていて、ヒューヒューという呼吸音すらも聞こえるほどに。

「……僕、賛成だよ」

「トド松!」

「確かに、僕たちは帆乃香に誤解をさせてる。別に今回の件がなかったとしても、いずれはこの誤解を解かなきゃいけなくなると思うんだ」

「………そうだね、ずっとこのままというわけにもいかないしね…」

トド松の意見に頷き、チョロ松が同意する。

「お、俺…帆乃香にずっと襲ったこと謝りたかった…。だから…っ」

「俺も!!帆乃香とまた昔みたいに大好きって言いながら笑い合いたい!!」

「………おそ松はどうだ?」

おそ松は何も言わない。
そのため、弟たちの身体がこわばる。

結局のところ俺たちがどんなに意見を言っても、最終的にはこの松野家長男松野おそ松という絶対的独裁者の意見が反映する。

つまりは例えみんなが賛成しても、大事なことに関しては必ずこの男の意見になるということ。

緊張感に包まれる中、おそ松はゆっくりと口を開けた。

「……いいんじゃねーの」

おそ松はポツリと小さな声でそう言う。

「ほ、本当か!?」

「ほんとー。俺も正直それ以外思いつかねぇもん。内心を言えば、帆乃香に受け入れられなかったら怖いから嫌だなとは思うけど…もう当たって砕けろだ!!みんな、帆乃香に本当のことを言おうぜ!!」

おそ松が鼻に手を添え、ニカッと笑う。
…足を、震わせて。

おそ松…本当は怖いのに、みんなを引っ張ろうとしてくれているんだ…。

「そうだな!!みんなで言えば怖くないぜ!例え受け入れられなくても、みんな一緒だからさ、ブラザー!」

「…カラ松兄さんかっこつけてるとこ悪いんだけど足震えてるし、声うわずってる」

「へっ!?そんなことはないぞ…チョロ松!俺のレッグはとても丈夫だからな…!」

「なんでわざわざ英語にした?しかもいつものイタさがなくなってただの変な言い回しになってんだけど!?」

「そ、そんなことはないぞ〜???」

「…全く。上二人がダメなせいで僕がサポートする羽目になるんだから…。じゃあとりあえず…帆乃香を起こすよ?みんないいね?」

チョロ松がみんなにそう呼びかけた。

「おう」
「あぁ」
「…ん」
「うん!」
「うん」

チョロ松は未だに気絶している帆乃香に近づき、体を揺さぶる。
すると、帆乃香は頭を抑えながらゆっくりと起き上がった。

「あ…れ…私……」

「帆乃香、大事な話があるんだ。俺たちの話、聞いてくれる?」

「チョロ松お兄ちゃん…?それにみんなまで……」

困惑する帆乃香だったけど、俺たちに耳を傾けていてくれた。
俺たちは帆乃香の前に正座をし、そして…

「「「「「「帆乃香…本当に、ごめんなさい………」」」」」」

深く深く、土下座をした。
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