Promise
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あれから数年、ジンさんは何やらイラついている様子だった。
「くそっ…どこ行きやがった!」
「ジンさん、どうしたんですか?」
「ルシアンか……。シェリーが、脱走した」
「えっ…」
「ライがノック…FBIの赤井秀一とわかり、その恋人・宮野明美を殺害したらその妹・シェリーが組織に歯向かってな…」
「そんな…組織にノックが…」
いや、それよりもシェリーさん、大丈夫なんだろうか。
シェリーさんはベルモットさん同様、私に、すごく優しくしてくれた。
「…お前は裏切るなよ、ルシアン」
「大丈夫です!私は行く当てもないので……」
本当に、行く当てはない。
ただ、零にいに会えたら嬉しいなって。
会いたいな、零にい。
「…まあいい。今回の件でバーボンを幹部の中の上層部に昇任させる」
「バーボン…?バーボンって、裏切り者のスコッチとよくいたっていう人ですよね?」
「あぁ」
「…それなのにギンさん…本当にそれで大丈夫なんですか?」
「あ?どういう意味だ」
「…スコッチは公安警察のスパイだった。そのスコッチを殺したのがライで、ライもFBIのスパイ…。それなら、バーボンも…………ってなりませんか?私なら、バーボンはノックじゃないかなって思うんですけど」
「…確かに疑う要素はある。だが今はシェリーを見つけ出すのが優先だ。奴は洞察力と情報収集力に長けているからな。何が何でもシェリーを見つけ出す…!!!」
ジンさんは目を鋭く光らせて、それをみた私は思わず体をビクッと震わせた。
それを見たジンさんはタバコを吸いながら少し嫌そうにして溜息を吐く。
「…なにビビってんだ」
「そりゃあ、殺意のある目で話されたら怖いですよ…」
「そうか。ところでお前、バーボンとは面識は?さっきの話だと人から聞いたかのような言い方だったが?」
「バーボンとは面識はないです。ライとは体の関係を持ちましたけど、そんなに仲良しってほどではないですね。スコッチとも面識ありません。だから是非とも会って関係持ちたいですね」
「フッ、もうじき会える」
ジンさんは不敵な笑みを浮かべて笑った。