友人帳と恋人帳

□第2話
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貴志side


なんだか…妙に暖かい。
いつもと違う感触

それに……なんだかいい香りがする




ここは………




パチッ


「……あれ、もう朝なのか……ん?」



目を覚ました俺は布団の中の妙な違和感に気づき、布団をめくってみると……


「瑠夏!?」



なんと、俺の足を抱き枕のようにして眠っている瑠夏がいた。



「ん〜…………むにゃむにゃ」


俺の声に反応した瑠夏は、頭を少し動かすが…その動きはなんだか妙にくすぐったい。


それに、なんだか俺の大事なところを頭で擦られているような感じがして……


「…瑠夏…!起きてくれ!」


「う〜ん…?………あれ?貴志?おはよう〜」


目をこすりながら瑠夏はゆっくりと起き上がった。


「おはようじゃないだろ!どうして俺の部屋にいるんだ!?」


「……えー?」


瑠夏は辺りを見回して…そして固まった。


「えっ!?あれ?!私自分の部屋で寝てたはずなのに!」

「……瑠夏…昨日、トイレ行ったりとかしてないだろうな?」

「トイレ?えっと………あ、行ったかな…」

「……そのとき俺の部屋に間違えて入ってきたんじゃないのか?」

「た、たぶん……。ご、ごめん!」

「いや、いいよ。でも次からは気をつけてくれ」

「えーー。貴志と寝たほうが、安心して寝れたのに…」

「なっ…」
「ねぇ、貴志。これからは一緒に寝てよ…?」


そう言って瑠夏は俺に四つん這いになりながら近寄ってくる。


しかも起きたばかりのパジャマは乱れていて…胸元がはだけていた。


「うっ……」


俺は顔に全ての熱が集まったような感じがした。


「と、とにかくダメなものはダメだ!」

「うぇー貴志のケチ!ふんっ!」



瑠夏は扉を乱暴にして俺の部屋から出て行った。



あ、危なかった…



「ムフフフフ」

「…….ニャンコ先生、その気持ち悪い笑い方やめろ」

「とおっ!!」


そう声をあげてニャンコ先生は…俺が下半身にかけていた布団をめくり上げてきた。


「!!」

「ムフフフ!!夏目、勃っておったな!」

「なっ…でかい声でそういうことを言うな!」


バキッ!


気付いたら俺は、ニャンコ先生を素手で殴っていた。


「な、何をする!!この私を殴るとは、短気にもほどがあるわ!」

「うるさいぞ、今のは先生が悪い!」

「何を言う!勃っていた夏目が悪いに決まっておるだろう!」

「だから大きい声で言うな!」

「お前は女顔な上に純情というかピュアというか。私は夏目が勃つことは生理現象以外ないと思っていたが…お前も健康的だなぁ〜?」

「うるさーーい!!」

「……まさかとは思うが、あの娘に惚れているのではあるまいな?」

「そ、そんなわけないだろ…!」


ちょっとはドキッてしたけど…!


「お前があの子娘を好きになろうがどうでもいいが、…妖であるかもしれないことを忘れるなよ?食われても私は知らんからな」

「…瑠夏は…人間だ」

「……ふんっ。どうだかな」







あんなに手が暖かいんだ。





身体が暖かいんだ。





そんな人が妖なわけがない。





ドン!!!!


「貴志ー!!」

「うわぁっ!」

「早くご飯食べていかないと遅刻するよー!」

「わ、わかってる…ていうか瑠夏!ノックしてから入ってくれよ!」


またしても瑠夏がいきなり扉を開けてきて、俺の心臓は驚いてばくばくしていた。


「ごめんごめん〜 とりま、早くきてよね!」
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