I want teach… ”love”

□02
2ページ/4ページ


「え…いや、えっと…」

工藤新一は、私を観察するようにまじまじと見てきた。

し、視線が辛い…!

「….見た所、俺と同じ高校生みてーだけど、さっきの震えはどうかしたのか?」

「えっ」

やばい。見られてたのか

「いや、震えてなんかいませんでしたよ?」

ポーカーフェイス、ポーカーフェイス。
まじっく快斗の盗一さんも言ってたじゃない。

私はさっきの震えは何事もなかったようにそう言った。

「……変な奴につけられてるから言えないとか、脅されてるから言えない…ってわけじゃねぇよな?」

なんじゃそりゃ…。
さすが名探偵の新一君の思考は常に事件の思考なのね…。

思わず呆れて暫く黙り込んでいると、工藤新一はさらに私の行動を凝視してきた。

まずい…っ!
もしかして、返事しばらくしてなかったから…事件だと思い込んでる!?

「いや、違います。本当に私震えてないですよ?」

「…本当に?」

「……っ」

まっすぐ私に見つめてくる瞳。
思わずバッと勢いよく目をそらしてしまった。

「…本当かどうかは知らねぇけど、何か隠してるのは事実だな」

「はぁ……」

困っているのは隠してるというか…自分でもよくわかってない状況なので隠すも何もない…

私が黙っていると

「なぁ…今、暇だったりしねぇ?」

工藤新一がぽりぽりと頭をかきながらそう一言渡しに言った。
若干頬が赤いような気がするのは私の気のせいだろうか。

全く…蘭ちゃんという可愛い可愛い将来の彼女さんがいるというのに。

「…ごめんなさい。用事があるので」

ごめんなさい嘘です。

だって、主要キャラクターだよ??
そんなキャラクターに"私"という者が触れてしまっていいはずがない。

「…そっかぁ」

工藤新一は少しがっかりとしたような顔をしていた。

「じゃ、私はこれで」

「あっ!待てよ!」

「……?」

歩み始めた足を止め、工藤新一の方を振り返る。

「連絡先…交換しねぇか?何かあったら俺に連絡してほしい。俺、これでも高校生探偵やってんだ!

「……!」

そう来たか…。
うーん…まぁでも連絡先くらいはいっか。って…

待って。私は名探偵コナンのを読んでいたわけで

その後寝たわけで

当然格好は部屋着のラフな感じで

携帯は…………

部屋着のポケットに手を突っ込み、物体を探し出す。

「あった……」

奇跡的にあった私の携帯。
それと…確かに手の感触にあった。

薬のデータが入っている…USBメモリの感触。

携帯は入れたかもしれないけど…USBメモリなんて入れたかな?

そんな疑問がよぎったが、今は考えているところじゃない。

さっそく工藤新一と赤外線で連絡先を交換する。
そして、私の連絡先に"工藤新一"という文字が追加された。

「へぇ〜柏野瑠奈っていうのか。瑠奈よろしくな!」

「こちらこそです。工藤くん」

「あー…っと、し、新一って呼んでくれ。あと、敬語なんていらねーよ同い年くらいなんだし。ちなみに何年生なんだ?」

「じゃあ新一っていうね。高校二年生だよ」

「やっぱり同い年か!どこ高?」

「芝………っじゃなくて、江古田高校!」

「あぁ、江古田なのか…。知り合いいねぇな〜」

あっぶな…!
今、芝紫高校って言おうとしちゃった。
このコナンの世界では存在しない世界なのに…。

「それじゃ、ありがとな!気をつけて帰れよ!」

新一はさも嬉しいしそうに歩みを進めた私に手を振って大声でそう叫んだ。

……これ、何かのフラグじゃないよね?
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ