I want teach… ”love”
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私は現在、江古田高校の校長室にお邪魔している。
「…わざわざお茶までありがとうございます。校長先生…」
「いえいえ、どうぞお召し上がりください。今日は…どういったご用件で?」
「その…大変迷惑なことを申しますが、私を…江古田高校に転入させてもらえませんか?」
校長先生は驚いたようで、口をぽかんとあけたままになっていた。
やっぱダメだよねええええ…。
いくら此の世界自体がおかしいといってもさすがに…。
「別に構いませんよ」
「そうですよねー……………って、え…?」
なんて言った??
構わない?
「……何か変なこと言いました?」
「え、あ、いや…いってません、けど…」
「けど?」
「…本当に、私なんかが江古田高校に入っていいんですか!?この時期に転入だし、試験を受けるわけでもない…。どう考えても怪しい人なのに…」
私がそう言うと、校長先生はフッと笑った。
「あらそんなこと?そりゃ怪しいとは思いますよ。でも、あなたは何かわけがありそうですもの。あなたの瞳がまっすぐにそれを伝えてる」
…校長先生、なんかどっかの怪盗さんみたいな気障なこと言いますね……。
「あ、ありがとうございます…」
なんだか照れてしまい、下を向きながらお礼を言った。
…心なしか校長先生クスクス笑っているような気がする。
「じゃあ、転入ってことで決定しますね。いつからにしましょうか?」
「えっと…明日からでお願いできますか?」
…新一がいつ行動起こすかわかんないからね…。
「わかりました。じゃあとりあえず、制服をお渡ししておきますね」
そう言って校長先生は私に江古田高校の制服を渡してきた。
…なんか準備早くない?
「校長先生?この制服は一体……」
「…お恥ずかしい話なのですが実は……私がコスプレで使ってた制服、です…」
「は……?」
目が点になるとはまさにこれのことだと思った。
制服…?コスプレ………?
校長先生が??
「だ、だって…うちの制服って可愛いじゃない…普通のセーラーで!私の昔の高校はブレザーだったから羨ましくて……」
「…は、はぁ………と、とりあえずありがとうございました明日からよろしくお願いします」
「いえいえ!こちらこそよろしくお願いしますね!」
校長先生の笑顔で見送られ、私はアパートへと戻る。
…にしても江古田高校の将来が心配になったわ…。
漫画やアニメではわからなかった校長先生と意外なその性格を知ってしまった私は、なんだか複雑な気分のまま家に帰った。