I want teach… ”love”
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「怪盗キッドのマジック?」
「そ。怪盗さんのマジックはとても人を惹きつける力のあるものだと思う。怪盗さんが気障でイケメンでかっこいいっていう人もいるけど、みんなが怪盗さんを応援するのはそのマジックが見たいからじゃない?」
「…っ!」
私がそう言うと、快斗は顔を真っ赤にして驚いていた。
「でも…怪盗キッドは泥棒!犯罪者なのよ!!青子はぜったいに認めないんだから!」
「はいはい、そんな興奮して言わなくてもわかったから…。んで、快斗は何してんの?」
「…へ?」
「顔赤くない?どうかしたの?」
何知らぬ顔で快斗にそう質問する。
「いや…これはっ…」
「んー?」
うろたえてるうろたえてる(笑)
可愛いなぁ。
「お、俺は怪盗キッドのフ、ファンだから…お、俺まで嬉しくなっちまって…」
苦しすぎだろ、その言い訳wwww
当の本人も自分で自分のことがファンと言っているのに抵抗があるのか、もごもごしながらになっている。
「………へぇ〜?快斗って怪盗キッドのファンなんだ?」
「お、おう…何か悪いか…?」
快斗はビクビクしながら私を見ていて…
あ……これ以上せめると私が怪盗キッド=快斗ってことを知ってるってバレるよね…。
面倒なのは極力避けたいし。
私は青子に聞こえないように、快斗の側に行って
「…私と同じだね!実は私も怪盗キッドのファンなんだ」
と、快斗の耳元で言った。
うし。これでこの場は誤魔化せるでしょ。
キーンコーンカーンコーン
…グッドタイミング!チャイムよ!
「あっ!チャイムなっちゃった。青子、席に戻るね!」
「うん、また後でね!」
私と快斗は席が隣だから、特に動く必要性もない。
私たちはゆっくりと自分の席に戻っていった。