I want teach… ”love”
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快斗side
俺は今日の仕事の下見を終えた後、瑠奈の家のアパートのベランダに忍び込んでいた。
瑠奈のあの表情。
なんであんな表情をするのか…。
仕事中でも気になって気づいた時には足がここに向かっていたというわけだ。
「いや、それにしたってまずいよな…。瑠奈のやつ、頭いいから間近で見たら俺だってバレちまう可能性が……」
そう思いつつも、チラッと瑠奈の部屋の中の様子を見る。
瑠奈は部屋にはいない。
「なーんだ…今日は留守か…」
ホッとしたような、残念なような…。
まぁこのままここにいてもしょうがねぇし、帰るか…。
そう思ってハングライダーを広げようと思った時、
ガチャリ
「!」
……瑠奈が帰ってきた。
「マジかよ…」
瑠奈がいるために、帰るに帰れないこの状況。
ところが、瑠奈の姿が部屋から見えなくなった。
シャワーの音が聞こえてくるから、おそらく風呂だろう。
「どーすっかなぁ……」
今のうちに帰っちまうか?
それとも………
少しでも瑠奈の隠していることを見つけるか…?
もちろん後者は危険も伴う。
それは瑠奈に俺の正体がバレるリスクが高くなるということ。
けど……
「…怪盗の仕事は盗み」
それが例え"情報"という形のないものでも。
しばらくベランダに身を潜めていると、瑠奈の姿がようやくまた表れた。
「!?」
やっべ……なんっつー格好してんだよ!
瑠奈の格好は短パンにタンクトップというラフな格好。
まぁ、部屋着だし誰もいねーから当たり前なんだろうけどよ…。
「んな格好すんならカーテンくらい閉めろっての!」
そう、俺がこんなにも瑠奈の部屋の観察が簡単にできるのはズバリ、カーテンが開いているから。
逆に俺の姿も見えやすくなってるから、注意深く見てっけど。
瑠奈はどうやらケータイをいじっている様子。
……ところが、様子が変わった。