Promise
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瑠奈side
ーーーーーーー時は遡り、瑠奈が14歳の頃
「七香ちゃん、バイバイ!」
「瑠奈ちゃん、また明日ね!」
いつも通り帰宅途中に友達と別れ、自宅へと向かう。
…帰るの、だるいなぁ。
私の両親はいわゆるネグレクトというやつで、私と私の兄をいないものとしている。
ただ、食事やお金は出してくれるから、生きる分には問題ないけれど相手にはしてくれないから、時々すごく寂しくなってしまう。
ままに愛されたい、ぱぱに愛されたいって。
でも、そんな私がどうして捻くれずに育ったかというと、お兄ちゃんがいたから。
お兄ちゃんの名前は降谷零。れいって読むの。
私はお兄ちゃんのことを"零にい"って小さい時からずっとずっと呼んでいる。
零にいは人一倍正義感があって、自分にすごく厳しく、人にも厳しい。
けど、本当はすごく優しくて、いつだって私を優先してくれていた。
私はそんな零にいが世界一大切で、世界一大好き。
だから零にいの幸せが、私の幸せって思ってる。
毎日お家へ帰ろうと思えるのも、零にいのおかげ。
零にいが笑顔で「瑠奈おかえり!」とか「瑠奈ただいま!」って言ってくれるから。
今日も零にいのその声が聞けるって楽しみに思っていたのに…
「アニキ…いやしたぜ…!」
「いくぞ」
そんな声が聞こえたと思ったら
「…っ!?」
後ろから突然鼻と口を押さえられ、変な薬をかがされた。
零にい……たすけ、て……
私は零にいのことを思いながら、意識を落として深い暗闇の中に落ちていった。