Promise

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降谷零side

数年前、この組織へ入り込み、やっとの思いでコードネームを手にすることができた。

共に公安警察の潜入捜査官としてこの組織に入ったスコッチは、同じく潜入捜査官として潜入していたFBIの赤井秀一によって殺されてしまった。

僕は俺は赤井秀一を、許すことは絶対にない。

昨日ジンからメールが届いて、"明日からバーボン、お前は幹部の上層部だ。そして、シェリー捜索に全力をあげろ、いいな?"というメールが送られてきた。

やれやれ、人使いが荒いな。

それでも、幹部の上層部に昇進できたことは、潜入捜査としてはなかなか上出来…いや。

これは公安警察の潜入捜査としてやっと入り口に入ったところだな。

何としても失敗するわけにはいかない。

…俺の仲間のためにも。




銀の長髪の男が僕を紹介する。
…ジンだ。

「知ってる奴が多いだろうが、こいつが新しく上層部に入ってシェリーを追う任務についてもらうバーボンだ」

「皆さん初めまして、バーボンと申します。よろしくお願いしますね」

そう言うと、幹部の上層部たちはよろしくと笑いながら言いかえしてくる。

「俺はギン…知ってると思うが」
「俺はウォッカだ」
「アタイはキャンティー」
「…コルン」
「私はベルモットよ」
「私はキール…」
「…キュラソーだ」

全員が自己紹介しおわったと思いかけたその時、

「あ?ルシアンはどこ行きやがった…」

「ルシアンの奴、まだ寝てるんじゃないすかい?」

「あのクソビッチが…」

ルシアン?誰だ、それは…

「遅くなってすみません!!」

はぁはぁと息を切らしながら、女の子が走ってくる。

「遅ぇ。遅刻だ、ルシアン」

「ごめんなさい〜!!寝坊しちゃって…みなさん本当にすみません〜!!」

「おはよう、ルシアン。寝癖が酷いわよ?」

「だって〜!!ジンさんが、いきなり招集かけてくるんですもんー!」

「俺のせいにするな。昨日お前には招集がかかるようなことを言っただろう」

「あ、やっぱりそれ案件なんですね」

「あぁ。こいつが、新しく組織に入る」

やれやれ、また自己紹介か。

「初めまして、バーボンです。よろしくお願いいたしますね」

僕は笑顔でそう言った。

けど、その女の子は僕をずっと見つめていて、気になって目を合わせてしまった。








その瞬間、後悔した。








……瑠奈…?




思わず、ポーカーフェイスが崩れたが、すぐに立て直す。

「……?なに?」

その女の子がそれに気づいたのかはわからないが、誤魔化すようにして僕はその女の子に話しかけた。

「君はなんて言う名前なのかな?他の皆さんのは聞いたんだけど、君だけまだ名前を聞いていなくて」

「あ…ごめんなさい!私はルシアンって言います。よろしくお願いします、バーボンさん!」

「あぁ、よろしくルシアン」

僕と握手を交わしてルシアンははニコニコと微笑んだ。

間違いなく、ルシアンは瑠奈………僕の…俺の、妹だ…。
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