Promise

□02
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「…ん…」

眠たいのに、懐かしくて和やかな気持ちになる。


……懐かしい?


ハッ…!!


目を開けるとそこには零にい……バーボンが私の目の前ですやすやと眠っていた。

「えっ……?なんで…」

「…目が覚めましたか、ルシアン」

「う、うん…。なんでバーボンさんがここに…」

私のお家、バーボンさんに教えてないのに…。
教えたのは、組織内にある私のお部屋だけ…。

「あぁ、組織のあなたの部屋であなたが爆睡していたのをジンが発見して、僕に自宅まで届けるよう指示してきたんです」

バーボンさんは私が疑問に思っていたことがわかっていたかのようにそう答えた。

「そう、なんですね…」

「随分と軽かったのですが、ちゃんと食事はとっていますか?」

「え……多分…」

私がそう答えると、バーボンさんははぁとため息をつき、

「…食べてないんですね。今日は僕が食事を作りますから、きちんと食べてください」

「え、そんなのいいです!悪いし…」

第一、零にいが作った久しぶりのご飯なんて食べたら、私…

断りを入れようとしたら、バーボンさんは有無を言わせずに"キッチン借りますから、そこで大人しくしていてください"と、キッチンの方へと行ってしまった。

…断る権利、無し。
昔から変わらないな、そういうところ。

「はぁ………」

零にいとの再会を果たしたのに、複雑な気分。

「ため息なんてついて、どうしたんですか?」

バーボンさんは調理をしながら私に聞いてきた。

「…いえ、嬉しいはずの出来事なのに嬉しくないなあって……」

「何かあったんですか?僕でよければ話を聞きますけど」

「バーボンに話すようなことじゃないし…あっ」

「今僕のこと、"バーボン"って呼びましたね?」

「ご、ごめんなさい!さん付けし忘れてしまって…」

「大丈夫です。むしろ、敬語なんて使わない、子供っぽい喋り方をしない…それが本来のあなたなんでしょう」

「そんなこと…」

ない、
そう言おうとしたら、バーボンさんは調理をしていた手をやめた。

「…バーボンさん…?」

バーボンはゆっくりと私へ無言で近づいてくる。
戸惑った私は後退りをするだけで、ついに壁とバーボンの間に挟まれてしまった。

「…バーボン、さん?」

私の目に映るバーボンさんは、何を考えているのかわからない。ただ、私だけを映している…そんな感じだった。

何かを言おうと口を開けてーーーーーー……

「っ…」

バーボンさんは、開きかけた口を固く閉じて、そこから先の何かを言うのをやめた。

「…ごめん、なんでもないんだ…」

バーボンさんは、ヘラっと笑って作っている笑みを見せてくる。

「……」

そんな顔されたら、聞きたいことも聞けなくなっちゃうよ。零にい…。
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