”違う”…知ってるそんなこと。

□第 8 話 風邪2日目
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「ねぇ、チョロ松兄さんまだぁ?」

「まだ鳴ってないよ。もう少し待って、トド松」

「ヤバイ…俺震え止まんない」

「もう少しだから!一松お前やっぱある気がするんだけど!」

「チョロ松兄さん、これどうやるのー!?」

「十四松お前は〜〜っ!!口じゃなくて脇に挟んで!!てか使い方くらい知ってるはずだろ!」

「チョロ松ー!これ飽きた!!」

「飽きたって何!?体温測ってるだけなんだけど!?」

「フッ、俺は至って正常。なんていったって日頃から孤独な戦いで…

「語ってないで測れ!!」

もう、いい加減……

「うるさいんだけど!!」

「ご、ごめんよ帆乃香…わざとじゃないんだ、わざとじゃ…」

慌ててチョロ松お兄ちゃんが弁明する。
状況を説明すると、松野家全員なぜか私の部屋に大集合して、みんなで熱を測るという異常なことをしているのだ。

はっきりいって超迷惑!
私一応病人なんだけど!?

ピピピピピッ!
ピピピピピッ!
ピピピピピッ!
ピピピピピッ!
ピピピピピッ!
ピピピピピッ!

6人の体温計が一斉に鳴った。

「よぉーし!せーので言うぞー……せーのっ」

「「「「「36.2度!」」」」」
「38.2度………」

おそ松お兄ちゃんが合図を出して兄たちは一斉に自分の体温を言ったが…一人だけ同じ体温ではなかった。
それは…

「やっぱ一松熱あんじゃねーか!」

「ないよ」

「いやあるだろ!38.2度って立派な風邪だから!」

「ところで、誰が二人を看病するだい?ブラザー」

「俺がしてやりたいところなんだけど、今日はにゃーちゃんのライブなんだよね……みんなは?」

「俺今日に限って競馬なんだけど!クソじゃん!なんで被っちゃうわけ!?」

「その日を選んだのはおそ松兄さんだろ。あと予約制のにしたのも。…他は?」

「俺帆乃香の看病したいけど、野球のやつに呼ばれてる……」

「あー赤塚高校の野球部の顧問にか」

「そう!!でも、野球より帆乃香が大切だから…うーーん」

「十四松。行く約束したならちゃんと行かなきゃだよ」

「……はい」

「残るはカラ松とトド松だけど…どう?」

「僕、女の子とデートの約束しちゃったんだよね……」

「お前は妹より女が大事か!この女たらしが!」

「モテないからって当たらないでくれない?それに、ちゃんと帆乃香のこと大事だし!けど、女の子とのデートも大事なの!」

「別に当たってねーし!!トド松ってさぁー将来彼女できたら二股かけそうだよねー、ないわぁ〜」

「はぁ!?本命できたらそんなことするわけないじゃん!」

「へぇー?てか、トド松に本命なんてできんの?」

「そういうチョロ松兄さんこそできんの!?」

ギャーギャー言い合うチョロ松お兄ちゃんとトド松お兄ちゃん。

私の部屋で喧嘩するな!!
と、叫びたいところだけど声が出ません。
いや、出るけど声を出したくない。
鼻声だから。

「ブラザー、静かにするんだ。帆乃香が困っている」

「あ…ごめん」
「ごめん帆乃香」

私は目で二人を睨んで、"これ以上うるさくしたら後日何かやらせるから"という意思を示した。

「とりあえずまとめると…おそ松兄さんは競馬、俺はにゃーちゃんのライブ、十四松は赤塚高校の野球の助っ人、トド松はデート、一松と帆乃香は風邪、残りは……」

全員、残りの人を見る。

「フッ、任せろブラザー!俺は完璧に看病という難題をやってみせる!」

「……ダメだ見てらんない」
「心配すぎる」
「俺、やっぱり行くのやめたほうが…」
「なんでこういう日に限ってカラ松兄さんだけ暇なの?」

次々と上がる声。

カラ松お兄ちゃん……
いい奴なんだけど、頼りになるけど、
正直病気の時にイタイ発言されるととてつもなくうざいんだよなぁ…。
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